ウォーターボーイズ、72スティーリー
[US72]【米国ロック72年の70曲】6・Do It Again / Steely Dan(ABC)
NYでソングライターとして売れない日々を送っていたウォルター・ベッカーとドナルド・フェイゲンが、旧知のプロデューサーのゲイリー・カッツによってLAに呼ばれ結成されたスティーリー・ダンは、カリフォルニア独特の音ではなく、カリフォルニアへやってきたよそ者がこの地で作り上げた音です。ジェフ・バクスター(g)、ジム・ホッダー(ds)、ダニー・デイアス(g)をNYから呼び寄せレコーディングを開始。フェイゲンがフロントに立つのをためらっていた為ミドル・クラスのデイヴィッド・パーマー(vo)を加えリリースしたのがこのデビュー作「Can't Buy A Thrill」です。街角に立つ娼婦たちと欲望をイメージしたイラストのジャケットからして、さわやか系ではありません。バンド内に2人のgがいながら、ランドールズ・アイランドのエリオット・ランドール(g)にソロを取らせる(”Reeling In The Years”のヒリヒリするようなソロ!)など後のような、「バンドであってバンドでないスタイル」が早くもちらりと出ています。ヒット曲”Do It Again”はラテンのリズムでel-sitarがソロを取る奇妙な曲ですが、何故か耳に残ります。voはドナルド・フェイゲン。