【フリートウッド・マック関連の70曲】11・Remember Me('73)

アルコール問題でカーワンを解雇したバンドは、アシュカンやアシュマン・レイノルズにいたボブ・ウエストン(g,vo)とまたテコ入れの意味で、他のメンバーの反対もあったらしいですが、元アイドルレース〜サヴォイ・ブラウンのデイヴ・ウォーカー(vo,harp)の参加を決め(もちろん決定権は社長のミックにあります)、6人組として再スタートします。同時期に元サヴォイ・ブラウンのロード・マネージャーだったジョン・コーレッジも雇っているので彼の助言もあったのかもしれません。73年3月に出た「Penguin」は、Rolling Stones Mobile Unit(その昔はローリング・ストーンズ・モービル・ユニット、と言われてましたが今見るとモバイル・ユニットですね)という移動式スタジオ)で録音されています。ウォーカーが歌う"Roadrunner"はジュニア・ウォーカーのカヴァーで、悪くはないけどマック合ってるかというとこれはもう別の問題。水と油だったウォーカーは1枚でバンドを去ります。”Remember Me”はウエストンのざらついたスライドgをフィーチャーしたクリスティン曲。アメリカナイズド計画も着々と進行していますが、この曲など米国志向ではありながらクリスティンそのものが英国人気質丸出しなので、いわゆる「イギリスのアメリカ的現象」(米国音楽憧憬型の英国人ミュージシャンが、アメリカンなつもりでやればやるほど自分の中のブリティッシュ風味がにじみ出て決してアメリカンには聞こえない)を起こしております。

https://www.youtube.com/watch?v=QhjdNvxF6eQ