★★HOMECOMING−America ('72)

72年は西海岸の音楽がヒットチャートにもあふれ、いよいよビジネス・モデルとしても注目された年でした。在英の米人3人でロンドンで結成されたアメリカは、71年末にデビュー。”A Horse With No Name”が#1になったのは、72年に入ってからでした。prodはジョージ・マーティンというのは、同じ英国人グリン・ジョンズをprodに迎えたイーグルスも意識したのかもしれません。
”Ventura Highway”の軽やかな感じが心地いい2枚目「Homecoming」は、前作「America」の路線を継承したもの。デューイ・バネル、ジェリー・ベックレー、ダン・ピークによる3人の歌声とコーラスとスタイルは、日本のフォークあたりにも影響を与えてます(リズム隊はハル・ブレイン(ds)とジョー・オズボーン(b)と言うレッキング・クルーのヴェテランが参加)。

原盤 Warber Brothers:BS2655 72年10月リリース。

★★★HARVEST−Neil Young ('72)

独立したクレイジー・ホースとはいったん別れ、新たにストレイ・ゲイターズを結成したニール・ヤングの72年作は、”Heart Of Gold”の#1ヒットを含む初期の代表作です。ティム・ドラモンド(b)、ケネス・バトレー(ds)、ジャック・ニッチェ(kb,g)、ベン・キース(g,steel)にヤングというのが、ストレイ・ゲイターズの面々。オーケストラが挿入された”A Man Needs A Maid”のような壮大なものから、シンプルな”Out On A Weekend"(キースのsteel-gが何とも心地いい)までいろんなタイプの曲があります。目立ちませんが、ゆったりとしたタイトル曲も好き。
ジェームズ・テイラーリンダ・ロンシュタットの参加を含め、西海岸ロックの商業的な最初のピークに達した感があります。

原盤 Reprise:MS2032 72年2月リリース