27■■この世の外へ・クラブ進駐軍('04日)

この世の外へ クラブ進駐軍 [DVD]
監督:阪本順治
主演:萩原聖人オダギリジョー、MITCH、松岡俊介村上淳
こんな男ばかりの映画はあんまり見ないのだけど・・・ 終戦直後、ジャズに憧れ生計を立てるジャズマンの話。まあ音楽的に僕には一番遠いところにあるものだけど、おもしろかった。主役はラッキー・ストライカーズを名乗る5人の男たち。MITCHは、現役のトランペッターで、ニュー・オーリンズ界隈の音楽シーンでは知られた人らしい。印象的に使われる”ダニー・ボーイ”は、アイルランドで古くから歌われてた歌で、大戦中にビング・クロスビーが歌って大ヒットした、出征するわが子をおくる親の歌。甲斐バンドの”ダニー・ボーイに耳をふさいで"はここから来てるのだけど、当時はそんなこと知る由も無かった。
女優陣は押され気味で、前田亜紀高橋かおり(最近は汚れ役専門)、つぐみ(どこに出てた?)くらいか。他には真木蔵人池内万作大杉漣ら。
2h03

In The Land Of Grey & Pink / Caravan

色もの。
グレイとピンクの地+5
キャラヴァンの3枚目であり初期の代表作、「ピンクとグレイの地」は、タイトル曲よりも片面(LP時代)を使った大作”9 Feet Underground”が知られているが、小品群も悪くない。デイヴ・シンクレアの独特の曇りを持ったorgが光る”Golf Girl”と”Winter Wine”(朗々としたリチャード・シンクレアの歌声も印象的だが、デイヴのソロはやはり素晴らしい)、ポップな出来の”Love To Love You”、そしてIn The Land Of Grey & Pink
ジャケットのイラストはトールキンの「指輪物語」の世界のようだが、牧歌的なアコースティックなムードから、orgソロへとつながる部分は何度聞いてもぞくっとする。
リリースは71年で、デッカ内部のプログレッシヴなレーベル、デラムに移籍しての第1作。このあとデイヴが、マッチング・モール参加のため抜け、デリヴァリーにいたスティーヴ・ミラーを加えて「Waterlou Lily」をリリースするが、pianoを基調としたジャジーでクールな肌触りは、どうもミスマッチ。その後デイヴが復帰するも、リチャードがハットフィールズ結成のため抜けた(後任は、ジョン・G・ペリー)「For The Girls Who Plump In The Night」では、初期のマジックが失われており(これはこれで悪くないが)、バンドの錬金術は微妙なものだと感じさせる。