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BBC in Concert
■Better Days / Badfinger
ビートルズの弟バンド−ポール・マッカートニー作の"Come And Get It"でアップルからデビューし、「Straight Up」がジョージ・ハリスンのprodだったことを考えると仕方がない部分はあるが、これがバッドフィンガーに対するかつての一般的な評価だったろう。けど結局は二人の自殺者を出したり、イメージと現実とのプレッシャー、マネージメントと問題に悩まされた、このバンドは、数多くの音源が発掘されるのと同時に、今まで多くの人々が抱いていたイメージとは別の顔を思っていたことも今ではわかっている。それはライヴ・パフォーマンスの激しさで、後に「Day After Day」というライヴがリリースされたが、そこでも十分わかるように、かなり熱いステージを展開している。97年に出たBBC音源を収めた「BBC In Concert」は、72年と73年のパリス・シアターでの観客を入れてのライヴが収められている。トップを飾る"Better Days"から、激しいgの応酬で、ピート・ハムとジョーイ・モランドの頑張りが目立つ。オリジナルに混じってデイヴ・メイスンのカヴァーが2曲あって、デラニー&ボニーもとりあげた"Only You And I Know"、そしてジョー・コッカー、スリー・ドッグ・ナイト、GFRも取り上げたトラフィック時代の"Feelin' Alright"で、特に後者の重い音にはビックリ。トム・エヴァンスのbassがなんともカッコイイのだ。

スタジオ・ヴァージョンのリップ・シンクではなかなかわかりにくいが、このMidnight Specialからのものは、ちゃんとしたライヴ。スライドはハムが弾いている。曲は"Suitcase Suitcase"。

■ブレイクアウト('75米)

ブレイクアウト [DVD]
監督:トム・グリース
主演:チャールズ・ブロンソン、ジル・アイアランド、ロバート・デュヴァル
ジャック・スマイト、テッド・ポストジョン・ギラーミン、そしてトム・グリース、いずれもプログラム・ピクチャーを中心に撮ってきた監督たちだが、どうしてもC級アクション的なイメージが付きまとう(B級というのは、ドン・シーゲルとかジョン・フリンとかあの辺)。映画史上最初に百万ドルのギャラを手にしたというのが、本作でのブロンソンで、ここでは何でも屋の役。無実の罪(有罪だろうが無罪だろうが関係ない)でメキシコの刑務所に投獄されたデュヴァルを脱獄させる役。冒頭から詰めの甘さがボロボロでてくるアクションだけど、途中からブラック・ユーモア的というか、脱獄させる為の珍妙なアイディアが続出。ヘリコプター(免許取得途中)で中庭に降り立つとか、助手のランディー・クエイドを娼婦に変装させたりとか、シェリー・ノースにレイプよ〜と叫ばせたりとか(レイプされたことないから、予行練習のためレイプして、と迫るあたり、さすがの貫禄。当時43歳熟女のフェロモンを出しまくる)。どこまで本気なのかわからない分、昔からよく判らなかった1本。他にはエミリオ・フェルナンデス、ジョン・ヒューストンら。
Columbia、Breakout、1h34