RCサクセション

BEST OF THE RC SUCCESSION1970?1980
■ベスト・オブ・ザ・RCサクセション 1970-1980
バンド結成20周年を記念して90年に東芝からリリースされた複数のレーベルにまたがったベスト盤の前半部。「フォーク・グループ」時代のLP未収録のシングル曲が公式にCD化された初めての作品。とりわけ”シュー”、”けむり”、といった作品での批評性はいまも失われていない。

烏合の衆、烏合の衆、衆、衆
一人じゃ何にもできないくせに、一人じゃ何にも言えないくせに
(シュー)

火のない所にも、けむりはたっている
火のない所にも、けむりはたつものさ
はじめはハラもたったが、今じゃもうなれちゃった
火があるなら、いざ知らず けむりだけじゃ 消せないさ
(けむり)

初めてのヒット曲”ぼくの好きな先生”('71)で主人公の「ぼく」は先生のことを親しみをこめて「おじさん」と呼ぶ、この感じは、後にロックバンドなったRCの歌詞にも、たびたび登場してニヤリとさせられる。アコースティックからエレクトリックへの移行期であり、とにかく仕事がなかった時期の「シングルマン」('76)は、80'sに入って音楽評論家、吉見祐子を中心とする有志の手によって廃盤から復活したが、この事件前後、RCは、メイクを施したキヨシローの姿を中心に急速にブレイク。このCDは僕とRCの出会いのアルバムだった、思い出深い「Please」までの楽曲が収められている。その当時はなんとも濃いなあという印象だった"Sweet Soul Musi"のよさがわかるようになったのは、もう少し後のこと。生活向上委員会のホーンセクションが実にいい味だ。