マクギネス・フリント


■Happy Birthday Ruthy Baby / McGuinness Flint
今でこそマクギネス・フリントといえば、イギリスのアメリカ的な音に興味がある人ならまあ知ってるグループだけど、現役の70's当時ならまだしも、90'sの初めには情報も途絶え全くの暗中模索だった。バンドの名前を初めて知ったのは、マクギネスが後に組んだブルーズ・バンド(バンド名)のライヴの裏ジャケに載ってたピート・フレイムのファミリー・トゥリーだった。それから数年、ようやく見つけたLPは、この2枚目の米盤カットアウト(下北フラッシュにて購入)。
トム・マクギネス(元マンフレッド・マン)、ヒューイ・フリント(元ブルーズブレイカ−ズ)の2人の名前がバンドについてはいるものの、大半の曲を書き歌っているのは、ベニー・ギャラガー&グラハム・ライルのコンビ。英国のザ・バンドになぞられるグループは多いが、このマクギネス・フリントには、あの重さは全くないけど、目指してるもの、見ている風景は同じような気がする。ファーストのジャケットでは古めかしい衣装を着て棺桶の前に立つメンバー5人の姿が写っている(デザインはコッシュが担当)が、この2枚目ではカントリー調のキッチンでリラックスする女性(だった気がする)とこれまたイギリスのバンドらしくない。 ギャラガー&ライルはこのあと脱退して、元フェイシズのロニー・レインのスリム・チャンスに加わって独立するのだけど、アップルの女性シンガー、メアリー・ホプキンが、マクギネス・フリント時代のG&L作品を好んで取り上げてきた。このアルバムからは、”Sparrow”がそう。ゲストのジミー・ジュエル(この人もスリム・チャンス周辺の人だ)のsaxも聞こえる。出来としてはA面のほうが良く、タイトル曲、”Faith & Gravy”、”Klondike”が素晴らしい。現行のCDはファーストとのカップリングなので、画像はファーストのもの(正確にはトリミングなど違うが)。