benzo


■Days / benzo
98年にデビューしたbenzoこそ、90年代のシュガー・ベイブを名乗るにふさわしいバンドだった。和製レア・グルーヴとして、キャラメル・ママの音源がクラブシーンで注目されていたあの頃、benzoはささやかながら金字塔ともいえる2枚のアルバムをリリースして解散した。スガシカオがデビューする前のこと、日本人による黒人音楽の消化方法に理解がある、現在ならもっと注目されたろうが、きっと今デビューしてたら僕は彼らと出会うことなんかなかったはずだ。
99年にクラウンから出た2枚目にして最後の1枚となった「Days」は平泉光司(g,vo)、佐々木一也(ds)、伊賀航(b)、高野勲(kb)の新しいラインナップによるもの。前作「benzoの場合」は、素晴らしいんだけど同じような曲が続く感じがなきにしもあらずだったけど、ここでは、ヴァラエティに富んだ選曲。先行シングルの"Day By Day"では、現平泉夫人のイノトモがコーラスで参加。わずかな出番だけど癒される。スガシカオに強い影響を与えたと思われるファンク・チューン、"タマシイ"は新加入の高野のorganが素晴らしい。僕がこのバンドにシュガー・ベイブの影を感じるのは、こういうファンキーなのもそうだけど、軽やかな"Again"や"スバラシイ・ウルオシイ"など。
benzo解散後、平泉はCouch(カウチ)を結成。これまた地味ながら活動中。