アイドルワイルド・サウス


■Keep On Truckin' / Idlewild South
77年のレーナード・スキナードの来日公演に前座として登場して、極東の地にゴキゲンなサザン・ロック・バンドあり、とメンバーを驚かせたのが神戸出身のアイドル。76年に残した唯一のアルバム「Keep On Truckin'」はサザンスタイルのブギあり、ゆるいカントリー・ロックありと、なかなか心地いい。メンバーは後にツイストの松浦善博(vo,g)、藤井清和(g)、難波正司(kb)、清昌弘(vo,b)、森辺浩章(ds)、池本忠則(ds)の6人。かつてのメンバーだったチャールズ清水(当時はソー・バッド・レヴュー)が参加した曲があるが、当時の関西ロックの盛り上がり(サウス・トゥ・サウス、ウエストロード、スターキング・デリシャスetc)を象徴するような(音楽性は違うけど)1枚。豪快なslideやorganをフィーチャーしながら、どことなく洗練された感じはある(ライヴではもっとラフなんだろうなあと言う予感あり)。2台のds、2本のgが広がりのある演奏を肉付ける"ハイウェイ・バウンド"、デュアン・オールマンにささげられたバラード"あいつ"、オレンジ・カウンティの谷口邦夫がsteelで参加したカントリー・ロック"あこがれのジョージア"、"オレンジ色の神戸"がいい。
名古屋のセンチ、小松のめんたんぴん、大阪のサウス、京都のウエストロード、そして神戸のアイドルと、70's半ばは地方のロックの時代でもあったのだ。そして東京にはシュガー・ベイブがいた。