ジョー・サウス

Anthology 1968-75
■Anthology / Joe South
レーベルを超えた選曲による長時間録音、という謳い文句の豪Raven編集のCDだが、ジャケットがダサい、解説が当たり前っぽい、細かいクレジットがない、など不満は多い。最近は車のCMに"Hush"が使われたりしてる、ジョー・サウスの、これは00年に出た同社のコンピレーション。以前Rhinoから出たベスト盤よりも曲数が多いことと、デビュー作「Introspect」の大半を網羅してることが購入の理由だった。深いエコーと鳴り響くel-sitarがサウスの音楽の大きな特徴。ジョージア州アトランタ出身で、南部の白人らしくゴスペル、R&B、カントリーを消化ししっかりとオリジナルなものを作り上げている。デビューは58年と古いが、注目されたのは弟子ともいえるビリー・ジョー・ロイヤルのヒット曲の作者としてで、タムズがヒットさせた"Untie Me"、ディランの「Blonde On Blonde」への参加など裏方として注目され、68年にキャピトルから先の、「Introspect」でデビュー。(同時期に英国のディープ・パープルがアート・ロック風にarrした"Hush"をヒットさせている)
キング・カーティスもカヴァーした"Games People Play"(アラン・パーソンズ・プロジェクトとは別曲)は、サウスの最初のヒットとなったが、このメロディを初めて聞いたのは、「オールナイトニッポン」のジングルだったのだ。
このCDは68年から英Islandからカムバックする「Midnight Rainbows」('75)まで7年間の作品、23曲が収められているが、一気に聞くとどれも同じようなメロディ、el-sitarのリフ、arrで頭の中がグルグルしてくる。ペトゥラ・クラークもカヴァーしたと言う"The Greatest Love"、リン・アンダーソンがヒットさせたヴァージョンよりは好みの"Rose Garden"、そしてブライアン・フェリーのソロで知った"Walk A Mile In My Shoes"がいい。