0631★★★★ミツバチのささやき('73スペイン)


監督:ビクトル・エリセ
主演:アナ・トレント、イザベル・テュリア、フェルナンド・フェルナン・ゴメス
日本公開は確か85年。今はなきシネヴィヴァン六本木で見て、名古屋シルバー(ゴールドだったかな)で見て、新潟シネウィンドで見た。videoを持たない当時、何度でも見たい場合は足しげく通うしかなかったのだ。いわゆるアート系の作品ながら、いろんな場所でこれだけ見れたということは、結構なロングランだったのだろう。寡作で知られるエリセ監督の長編デビュー作。40年ごろの内戦後のスペインの田舎を舞台とした話。映画「フランケンシュタイン」をモチーフにした、現実と空想を狭間を行き来する童女をアナ・トレントが好演(彼女はこの後「カラスの飼育」「エル・ニド」などに出演。数少ない作品が公開されたのはやはり「ミツバチ」効果か)詩情あふれる音楽、抑制の聞いた演出、荒涼とした風景、どれも素晴らしい。久しぶりに見直して(手持ちはvideoだけど)実感した。線路に耳をつけるシーン、燃え上がる焚き火で遊ぶ子供たち、丘の上から村はずれの廃屋を臨むシーンなど、本筋とは関係なく印象的なものが多い。これだけの作品なれどDVDが廃盤(しかも日本盤はかなり粗悪な内容だったという)とはいかに。
El Espiritu De La Colmena、1h39

その後のアナを押さえたページは、こちら