エヴリシング・バット・ザ・ガール

Eden
■Eden / Everything But The Girl
Cherry Redから出たシングル”Night And Day”を初めて聞いたのは、トレイシー・ソーンのソロのボーナストラックだけど、ソーンとベン・ワットのデュオ、「女の子以外なら全部」がBlanco Y Negroからリリースしたデビュー盤。84年と言う年はネオアコが、周辺のジャンル(ここではボサノヴァ、ジャズ)を巻き込んで大きな進化を遂げた年だった(それでも終焉は近かった)。品のよさが全体を覆い、BGMまであと一歩だけど、ロビン・ミラー一派(ワーキング・ウィークがデビューしたのもこの頃だった)によるジャズ系のミュージシャンの達者な演奏に埋もれていない、ソーンの歌とワットのgが印象的。ジャケットのイラストは、ソーンがいたマリン・ガールズのジェーン・フォックスが担当。このパステルなトーンはこのEBGの音楽をうまくあらわしている。イーグルスの"Best Of My Love"にも似た"The Spice Of Life"がメロディー的に一番だが、イントロからして素晴らしい"Each And Everyone"もいい。一般的にお洒落系といわれたこれや、スタイル・カウンシルの1枚目など、当時から僕は全くファッショナブルには感じなかったなあ。思えばこのアルバムが、クレプスキュールなどを、ちゃんと愛情を持って積極的に紹介していた新星堂から出たのもなんとなくわかる。その後Blanco Y Negroは欧WEAに取り込まれるようになるのだけど。