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■Take A Look Around / James Gang
とりたてて名曲というわけではないけど、シンプルなリフの繰り返しと勢いで押したところが痛快だった"Funk#49"(あくまでもスタジオ・ヴァージョンのみ。後年イーグルスやジョー・ウォルシュのステージで歌われたものはやはり大味)を含むジェームズ・ギャングの2枚目「Rides Again」('70)は、A面がいわゆるハードロック(といってもスカスカだが)、B面はフォーキーというかアコースティックな手触りのナンバーが並んでて、かなり落差がある。その前作にあたるデビュー作「Yer Album」('69)ではそれほどフォーキーな感じはなく、ヤードバーズやバッファロー・スプリングフィールド、ハワード・テイトなどのカヴァーがあってかなり混沌としている。"Take A Look Around"はウォルシュの持つポップなメロディーが生かされた曲で、ここではgとorgを担当。途中はプログレ風というか、当時の言葉で言うとサイケ風展開を見せる。ウォルシュ、ジム・フォックス(ds)、トム・クリス(b)によるオリジナル・メンバーで、基本線はハードロックだが、急にジャズっぽくなったりとかなりの変化球。リリースはABCではなく、Blueswayというレーベル。その後ABCから再発されたが、ABC製作の映画「ウエスタン・ロック・ザカライア」に音楽だけでなく、バンドとして出演している。