keep#2
■Please Don't Keep Me Wondering / Snafu
英スワンプのいくつかのバンドのうち、特に思い入れがあるのが、このスナフー。元々第二次大戦中の兵士のスラングである「大混乱(=all funked up,situation normal)」をバンド名にしたこのバンドは、プロコル・ハルムの初代dsだった、ボビー・ハリソン(vo)が、ジューシー・ルーシーにいたミッキー・ムーディー(g)と組んだもので、ベル&アーク周辺でセッションをこなしていたコリン・ギブソン(b)とテリー・ポップル(ds)に、パラディンのピート・ソリー(kb)を加えてスタート。WWAから出た水牛ジャケの1枚目「Snafu」では、ブルーズ・ロックとR&B、更にカントリー・ロックが混在したイギリスのアメリカ的世界。2枚目「Situation Normall」(大広間に中に迷い込んだジェット機というシュールなジャケット)では、同時代の米ソウルにも目配せしたかのようなファンキー・サウンド(しかしハリスンの歌声は暑苦しい)。そしてこの3枚目「All Funked Up」では、ソリーがプロコル・ハルム参加のため脱退して、ブライアン・チャットンとティム・ヒンクレーの2人のkbが参加。ただしゲスト的な扱いか。重く汗くさいスワンプな世界は相変わらずで、時折挿入されるファンキーなエレピやクラヴィネットが好きものにはたまらない。
スティーヴィー・ワンダー、オーティス・レディング、ブレンダ・ホロウェイなどいつも以上にカヴァー曲が多く、オールマン・ブラザーズ・バンドのカヴァー、"Please Don't Keep Me Wondering"もそう。気張って歌うハリスンの熱唱むなしくバンドは、経済的な事情で解散。ムーディーは、解散したディープ・パープルのデイヴィッド・カヴァーデイルのソロに参加し、これがホワイトスネイクへと移行する。またハリスンは、77年にノーバディーズ・ビジネスを結成。