time#3

Slowhand
■Next Time You See Her / Eric Clapton
「Unplugged」以降のブルーズに再接近したクラプトンを見てると、この頃は本当にレイドバックしていたのだなあ、と思う。初クラプトンは77年の「Slowhand」だったけど、この年来日公演(3度目か)があったので余計記憶に残っている。そのコンサート(僕は行ってないけど)でも新曲として披露された"The Core"は、マーシー・レヴィー(後にシェイクスピアズ・シスター)のvoを大きくフィーチャーしたスワンプっぽいナンバーで、これと有名な"Cocaine"、ブルーズの"Mean Old Frisco"以外はどれもゆったりとした歌もので、カントリーっぽいと当時はとらえられていた。久々の英国録音で、オリンピック・スタジオでグリン・ジョンズをプロデューサーに迎えてのもの、いわゆる英国らしさは、"The Core"でのメル・コリンズのsaxくらいしか感じないけど、かと言ってアメリカナイズされているかと言われると、そうとも言い切れない。"Next Time You See Her"は、ヒットした"Wonderful Tonight"(日本の10時台のドラマの主題歌にもなった)に通じるメロウなやつで、ひたすらユルい。このユルさに当時は結構マイってたことを思い出す。その極致がラストに収められたインストの"Peachaes & Diesel"で、ディック・シムズのel-pに乗せて、泣きのメロディーをメロウに弾きまくる。初めて聞いたのは渋谷陽一の「ヤング・ジョッキー」だったけど、同じ日に紹介されたウィッシュボーン・アッシュの「Front Page News」のナンバーにも似たトーンだった。
ジョージ・テリー(g)、カール・レイドル(b)、ディッキー・シムズ(kb)、ジェイミー・オールデッカー(ds)にクラプトンのこの時期の編成が一番好き。レイドルの追悼コンサートの動画は↓