woman#3

ホーム・アット・ラスト
■Indian Woman From Wichita / Wayne Berry
元ティンバーのメンバーで、75年に唯一のソロを出したウェイン・ベリーはもっともっと注目されてもよかった才能を持ったssw。「Home At Last」(RCA)は、めでたく日本でのみCD化されたが、ノーバート・プットナムのprod、録音は、LA、ナッシュヴィル、マッスル・ショールズでそれぞれその土地土地ならではのミュージシャンが参加している。マッスル・ショールズといえば、いかにも南部的なスワンプな音を想像するけど、ここでは実に都会的なarrで、びっくり。トラフィックにも参加したロジャー・ホーキンス(ds)、デイヴィッド・フッド(b)、バリー・ベケット(kb)に加えて、ルブラン&カーのピート・カー(g)も参加している。ここではポップな"Snowbound"がいい。ナッシュヴィルは有名なエリア・コードの面々でプットナム(b)、ケネス・バトレー(ds)、チャーリー・マッコイ(harp)らが参加。ディランの「Nashville Skyline」以降顕著となったカントリー・ロック的なもの。ここでは"Ballad Of Jonah"か。
LAでは、ジム・ゴードン(ds)、ジム・ロールストン(b)、ジム・バクスター(g)らが参加。明るくポップな"All I Needed"や"Welcome Home"では、ネッド・ドヒニージャクソン・ブラウンがコーラスで加わって華を添えているが、こうしたポップロックなものよりもジェシエド・デイヴィズが泥くさいスライドを聞かせる、フォーキーなものがいい。"Indian Woman From Wichita"は、こうしたタイプのもので、トム・ラッシュの「Ladies Lobe Outlaws」('74)、ラスティー・ワイアーの「Stoned Slow Rugged」('74〜未聴ながら気になる1枚。リッチー・フューレイ参加)でも取り上げられていた、ソングライターとしてのベリーの出世作。やや暗い曲調に寄り添うようなジェシのスライドに胸をかきむしられる思いだ。