#18-11 keiさんのあたためセレクト

 01 Freight Train / タジ・マハール
 02 フィドリン・アラウンド / チェット・アトキンス
 03 Drifter / Grinderswitch
 04 Ace In The Hole / マイク・フィニガン
 05 演奏旅行 / 丸山圭子
 06 青春サイクリング / 徳武弘文
 07 Roly Poly / アスリープ・アット・ザ・ホイール&ディクシー・チックス
 08 SUNDAY MORNING / ACID HOUSE KINGS
 09 Here Comes The Sun 〜 The Two Of Us / デニー・ドハティ
 10 セロリ / 山崎まさよし
 11 Hometown Blues / スティーヴ・アール
 12 Make It Throug The Night / ボビー・ウィットロック

ジャンルわけなんて不毛だと言われながら、それが大好きな僕としては、セレクトのたびに○○さんとXXさんは□□系だからと勝手にカテゴライズしてるわけですが、今回アメリカ・ルーツ系部門を担ってたきよさんと、としひこさんがお休みで、そっち方面は手薄かなあという予想があったのですが、bさんとkeiさんがそっち寄りのセレクトを作ってくれて思わずニヤリ。ご本人はやっつけ仕事と謙遜されてるジャケットのイラストも素敵なセレクトは、ずばり「演奏旅行」が裏テーマだそうで、ということはkeiさん版の「Running On Empty」(孤独なランナー)なのかな?と期待も膨らみます。

 1はタジ・マハールでホーボーたちがただ乗りする貨物列車のことが歌われているのかな?列車をテーマにした曲にハーモニカ(この楽器がこのセレクトのキーワードです)が多く使われるのは、汽笛を想像させるからでしょうか。ロバート・グリニッジによるsteel-dsも心地いいです。77年の「Music Fuh Ya」から。タジというと僕は"Fishin' Blues"の入った「Real Thing」と言うライヴ盤(ジョン・ホール(g)とジョン・サイモン(kb)参加)しかちゃんと聞いてないので、これは取っ掛かりになりそう。
 2のアトキンスはkeiさんのセレクトでは常連ですね。調べてみるとこの「Superpickers」というのは74年のものでジョニー・ギンブル(fdl)、チャーリー・マッコイ(harp)とのおそらくはナッシュヴィルのセッションでしょう。スウィングする感じが楽しいです。
 3のグラインダースウィッチは、キャプリコーンのサザンロックバンドですが、CD化されてる作品も少ない上に最近はあまり見かけません。この曲はテックス・メックスというよりもメキシカンな感じのナンバー。これは名曲"South Wind Blow"(まさに南部賛歌の)が入った「Macon Tracks」('75)から。僕もフルで聞いたことはありません。
 マイク・フィニガンといえば、イカしたジャケットのソロ「Mike Finnigan」は素晴らしい出来ですね。4はそこからディキシー風のもの。これは76年のマッスル・ショールズ録音。デイヴ・メイスンの傑作ライヴ「情念」でkbを弾いてた人ですが、その後CS&Nのツアーでもkb弾きながら歌ったりしてます。
 さてイントロ聞いただけでツボにはまると言う曲は確かに存在しますね。丸山圭子の5のハーモニカとスティール聞くとまさに電撃が走ります。「春しぐれ」('77)という3枚目だそうですが、ヒット曲"どうぞこのまま"だけの人ではなかったのでした。ちなみに調べたらバックはラスト・ショウだそうで、となるとハーモニカは松田幸一(アリちゃん)、スティールは村上律でしょうね。
 ちなみにラスト・ショウは70's後半に活動していたカントリー・ロック・バンドですが(マザー・グースの1枚目なんてラスト・ショウの力によるところは大きいです)、ここのgがDr.Kこと徳武弘文で6は、その徳武の04年の「ハッピー・デイズ」から。オリジナルは小坂一也だっけ。

 7はアスリープ・アット・ザ・ホイールとディキシー・チックスの共演。ぜひFURUさんの感想をうかがいたいところです。8はスウェーデンのアシッド・ハウス・キングス。この流れは違和感なくて不思議です。解説で「ギターの弦をすべる音がやたらと多いんです」と書かれてますが、ジョン・セバスチャンの"Hideaway"のキュッと言う音はナンでしょう?ときよさんのブログに質問されたkeiさんらしい考察です(^^)
 9はママス&パパスのリンゴ役、デニー・ドハーティーのユルユルのソロからのビートルズナンバー。ホントにこのアルバムはユルユルなんです。山崎まさよしは「月とキャベツ」と言う映画を公開時に見たことありますが、しばらくしてSMAPがこの曲10をカヴァーしたと知って、野菜専門か?と思いました。TV見ないのでもちろん、SMAPのヴァージョンも知りませんでしたが。隠し味のハーモニカ(ミシシッピ・ブルーズを探るみたいなドキュメンタリーにも出てましたこの人)もいい感じ。
 11はスティーヴ・アールでこの人完全に僕は乗り遅れてしまって、ほとんど聞いてないのですよ。ラストの12はボビー・ホイットロックで、キャプリコーンからの傑作「Rock Your Sox Off」('76)から。しみじみさせるバラード。汗くさいとか暑苦しいとか言われることが多い人ですが、僕は好き。但しこれだけの才能をもってしても、70'sだけのキャリアで終わってしまった(その後カムバックしましたが)のが残念でなりませんね。あとちゃんとCD化して欲しいですね。
思わず長文になってしまいました。

keiさんの解説はこちら