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Edgar Winter Group With Rick Derringer (Reis)
21■Diamond Eyes / Edgar Winter Group With Rick Derringer
何とも不思議なジャケットでした。夜更けの砂漠に怪しく光るミミズのような物体。掃除機のホースのような蛇腹があって生き物の様でもあり… 邦題は「謎の発光物体」。75年にリリースされたエドガー・ウィンター・グループの3枚目にあたるものです。高校時代学校帰りに寄るレコード屋で、この不思議なジャケットを見つめながらいろいろと想像したものです。邦題を付けたのは当時CBSソニーエアロスミスの"Walk This Way"に"お説教"という名邦題をつけ、後にエピック・ソニーでチープ・トリックの「武道館」などを手がけた名物ディレクター、野中規男さんで、そのブログで原題「Edgar Winter Group With Rick Derringer」ではそのままなんで訳せなかったと語っております。帯に付けられたコピーは「砂漠に横たわる不気味な発光物体、どこから来たのか、何者なのか?今、その輝きを増し君を襲う!」となかなか扇情的です。
ブルーズとかソウル・ジャズの観点で語られることが多いエドガー・ウィンター(kb,sax,vo)ですが、ダン・ハートマン(b,g,kb,vo)、チャック・ラフ(ds)をフィーチャーしたエドガー・ウィンター・グループは、グラム・ロックからの影響を受けつつ、ソウル・ファンクにも目くばせした東海岸のハードロックという印象があります。なにしろポップというのがいいです。EWGとしてのファーストは怪奇映画ばりの「They Only Come Out At Night」('73)で、ファンキーなインスト"Frankenstein"が#1をマークしていますが、"Free Ride"といったポップなナンバーも忘れられません。メンバーは3人にロニー・モントローズ(g)を加えた4人ですが、モントローズが自身のバンドを結成するために辞めると、ジェリー・ウィームス(g)が加わった様ですが(このあたりの順番はよくわかりません)、LPにはプロデューサーであり、ウィンター・ファミリーと関係が深いリック・デリンジャーも参加しています。
They Only Come Out at Night
その次が「Shock Treatment」で、デリンジャーも加わって4人組となっています。ここには"Miracle Of Love"、"Sundown"という名曲もあります。
Shock Treatment
そして次が本作ですが、すでにメンバーとなっていたのに「with リック」とは如何に?謎です。その間にほぼ同じメンツながら、エドガーのソロ名義の「Jasmine Nightdream」があります。
ジャスミン・ナイト・ドリームズ
さて、withとなってるせいでしょうか、このアルバムではデリンジャー色がやや引き、エドガーとハートマンがvoを分け合う曲が多いです。デリンジャーがvoをとるものは、カントリー・ロック的な味わいがあるものが多くて意外です(もちろん以前からそういう傾向もありましたけど)。シングルになった"Diamond Eyes"は、エドガーのソロに入ってもおかしくないソウルフルなバラードで、ソロに入っている"Tell Me In A Whisper"と重なるところがあります。