dead#3

U.K.

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77■In The Dead Of Night / UK
僕もUKの登場に心踊らされた一人ですが、パンク〜ニュー・ウェイヴ旋風が吹き荒れる78年の英国で、プログレッシヴ・ロックのヴェテランを集めた4人組で、おまけに邦題が「憂国の四士」ですもの、期待はするわなあ。正確に言うと後期キング・クリムゾンのリズム・セクション(ジョン・ウエットン=ビル・ブラフォード)が、元カーヴド・エアー、ロキシー・ミュージックエディ・ジョブソン(kb,vn)、元テンペストソフト・マシーンアラン・ホールズワース(g)を加えて結成したバンドです。プログレッシヴ・ロックというジャンルが動脈硬化に陥り、大物バンドは次の一手を模索する中、登場したのですから。でも残念ながら好みではありませんでした。ウェットンのナルシスティックなvoとジョブソンのめくるめくsynの世界は、肌に合いませんでした。ブラフォードのソロに参加した事で、誘われたと思われるホールズワースは、明らかに異端で彼のキャリアの中でも浮いています。それでもこのファースト「UK」でも力でねじ伏せるような曲はあります。"闇の住人"という邦題がついた"In The Dead Of Night"は3部組曲の冒頭の曲で、ジョブソンのシンセが耳に残りますが、引いた感じのホールズワースのソロなどなかなか素晴らしいです。


大方の予想通り、ブラフォードとホールズワースは脱退してブラフォードのバンドに加わります(そして大方の予想通り、ホールズワースは1枚で抜けるのです)。UKは、マザーズテリー・ボジオ(ds)を加えELP編成のトリオで「Danger Money」('79)、日本でのライヴ「Night After Night」(キミタチサイコダヨというMCはあまりに有名。これを神の声とのたまった方(某Jさん)もいた)を出して解散しています。十分にコマーシャルな音楽もやれると確信したのか、ウェットンはエイジア結成に踏み切るのです。