river#2

There Goes the Neighborhood

There Goes the Neighborhood

173■Rivers / Joe Walsh
SHMCDというのが最近のトレンドだそうで、旧フォーマットと比べてあまり変わらないと言う人もいるし、せっかくならリマスターしろ、という意見もあります。例によってオーディオ・メーカー主導の買わせ作戦なんでしょうが、日本コロムビアの廉価盤LPを買ってから、30年近くたってるので、ジョー・ウォルシュのミラーボールのライヴ盤を買い替えようかなあ、と思ってたら、これだけ売り切れでどのサイト見ても品切れとのこと。あれは未だにリマスターされていないので皆聞きたがったのでしょうねえ。
さてイーグルスに参加後初のウォルシュのソロは「But Seriously Folks…」('78)です。
But Seriously Folks

But Seriously Folks

そのあとサントラにいくつか参加した後81年に出たのが「There Goes Down The Neighborhood」(Asylum)です。すでに時代のトレンドはアメリカンロックから去っていましたが、タイムラグがある日本では、78年から82年あたりまでが、「ウエスト・コースト・ロック」が一般の音楽ファンのところまで下りてきて深く浸透しました。よってコテコテのAORすら、ウエスト・コーストと呼ばれてしまう頃でした。その時代に青春を送った僕は、当然そういう音楽に身を置きつつ、居心地の悪さを感じていました。
「愛すべきならず者」なるセンスない邦題がついたこのアルバムは、ジョー・ヴァイターリ(ds,kb,syn,fl)、ジョージ・チョコレート・ペリー(b)をバックにしたもので、派手さは全くありません。ABC/Dunhill時代はジェームズ・ギャングの流れからハードロックというイメージが先行した人ですが、Asylumに移ってからは、ハードロックともイーグルス的なものともいえない独自な音を展開するようになって(なかなかうまく表現できません)、イーグルス的な、コーラスの美しいメロディアスなものを期待すると大いにコケます。
"Rivers(Of Hidden Funk)"は、イーグルスの「The Long Run」に提供したもののボツとなったと言われるナンバーで、このアルバムの中ではまあメロディアスな方でしょうか。talk boxを使ったgはドン・フェルダーです。幾分哀愁味を帯びたメロディがtalk boxと相まって重い印象を受けます。

ちょうどこのアルバムをプロモートするために一回だけ武道館で行われたコンサートに行ったのですが(前日にはランディ・マイズナーを青年館で見ました)、ラス・カンケル(ds)、ジェイ・ファーガスン(kb)も加わったステージでした。
You Bought It-You Name It

You Bought It-You Name It

その後イーグルスの活動が休止状態となると積極的にソロ活動に入ります。「You Bought It-You Name It」は軽いレゲエっぽいナンバーとハードなギター・ナンバーが混在したリラックスした出来。
Confessor

Confessor

次の「The Confessor」は重いギター・アルバムでハードな曲が並んでいます(マイケル・スタンレーの"Rosewood Bitters"には救われますが)
Got Any Gum

Got Any Gum

レーベルをFull Moonに移しての「Got Any Gum」では後にニール・ヤングのバンドに加わる、bassのリック・ローサス(元タンゴ)をフィーチャーしています。