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ワン・フォー・ザ・ロード+1(紙ジャケット仕様)

ワン・フォー・ザ・ロード+1(紙ジャケット仕様)

215■One For The Road / Ronnie Lane And Slim Chance
フェイシズ脱退後ロニー・レインがやりたかった音楽とフェイシズ、さかのぼってスモール・フェイシズの音楽はかなり隔たりがある事、文章だけではなかなかイメージしにくい事(パッシング・ショーとか言っても、よくわからないですし、寸劇や舞踏を交えたミンストレル・ショーと言っても余計混乱するばかり)もあって、レインの音楽は、CD化される前には、よくわからないけど評価はあるみたいな時期が続いていました。世界で初めてレインのソロがCD化されたのは日本で、レコード・ショップのWAVEがやってるレーベルだったと(80's後半)思います。その後90年後に無謀(失礼)というか奇跡の来日公演があって(当時10年近く多発性脳脊髄硬化症の闘病を続け、車椅子状態でした)、97年に死去。死後英NMCより丁寧な編集の発掘音源がリリースされますが、97年に出た「You Never Can Tell」という2枚組のBBCセッションは内容が素晴らしかったです。73年から76年にかけての音源を一夜のライヴの様に仕立てた編集ぶりがスムーズです。

メンバーが流動的だった事もあって、その実態がつかみにくいスリム・チャンスですが、76年の「One For The Road」(Island)の頃には、チャーリー・ハート(kb,vn〜元バタード・オーナメンツ)、コリン・デイヴィ(ds)、ブライアン・ベルショウ(b〜元ブロッサム・トゥズ)、スティーヴ・シンプソン(g〜後にミール・ティケット)にレイン(g,kb,vo)という布陣だったようです。よく言われるように土臭くあたたかな音楽、ザ・バンドをほうふつさせるものの重さはなく、フットワークの軽さみたいなものを感じます。タイトル曲"One For The Road"の力強い響きは格別です。