you#2

プロセス(紙ジャケット仕様)

プロセス(紙ジャケット仕様)

293■You Got Me Crazy / Tony Kosinec
カナダのssw、トニー・コジネクのデビュー作「Processes」(Columbia)がリリースされたのは69年のこと。とにかくスタッフがこねくりまわしてコジネクの世界を台無しにしてしまったというのが通説で、81年に日本盤LPが登場した際も、その事はしつこく書かれていました。プロデュースはライトハウスのポール・フォファート(kb)とスキップ・プロコフ(ds)で、他にはエレクトリック・フラッグのハーヴェイ・ブルックス(b)、ライトハウスのラルフ・コール(g)、パティ・ラベル&ブルーベルズ(vo)が参加しています。僕は60's末のNYの感じがよく出たこのarrが結構好きで、そんなにひどいアルバムではないと思うし、繊細なsswに対する過剰なプロデュースというのは、いつの時代もあったものです。
全曲コジネクの作品で、acgの引き語りであったろう元のヴァージョンを想像するのも楽しいです(セカンドの「Bad Girl Song」('72)はそれこそ僕の音楽生活を変えてしまった1枚なのです)。僕は大学1年の頃、これを買って新潟のアパートで何度も針を落としていました(特にA面)っけ。特にハミングから曲がスタートする1曲目の"Down On Words"とイントロのpianoとharpsichordが印象的な(そしてfluteと)*1"Processes"が最高でした。ストリングスとホーンとgが確かに過剰な"You Got Me Crazy"は、エンディングのacgが"Come And Go"を思い出させます。

youtubeにはセカンド「Bad Girl Songs」からと未CD化の「Consider The Heart」そしてそれ以降のものがちょこっとあります。



これはパイド・パイパーのイヴェントで、中川五郎さんがかけてくれたやつ。後にVividからCD化。

*1:81年にはまだfluteの魔力に取りつかれていた