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On The Road To Freedom

On The Road To Freedom

296■So Sad / Alvin Lee & Mylon Le Fervre
72年の「Rock'N'Roll Music To The World」をリリース後、テン・イヤーズ・アフターの活動は緩やかに停滞し始めます。73年にはライヴ盤が出ますが、この年ドラッグ問題で引退同様だった、白人ゴスペル・シンガーのマイロン・ルフェーヴルのカムバックを手助けする共作「On The Road To Freedom」をChrysalisからリリースしています。トラフィックスティーヴ・ウィンウッド(kb)、ジム・キャパルディ(ds)、リーバップ(perc)、ロン・ウッド(g)、元クリムゾンのボズ・バレル(b)、イアン・ウォーレス(ds)、メル・コリンズ(sax)、マイク・パトウ(vo)、ミック・フリートウッド(ds)らが参加していますが、音的には米南部のカントリーぽい音で、イギリスのアメリカですらありません。
手持ちの日本盤LP(東芝がChrysalisの権利を持った際に再発されたもの)では山田道成氏の例によって大げさなライナー・ノーツで、麻薬中毒に悩むマイロンに手を差し伸べたアルヴィンとの友情物語風に書かれていて、買った高校生当時ですら辟易したのを覚えています。もともとマイロンは、クラシックス・フォーのメンバーと同じバンドを組んでいて、その関係でARSの3枚目にvoで参加した事もあったとか。一部の曲を除くと音楽的興味に乏しい事は確かです。
タイトル曲は、このアルバムであまり弾いていないリーが弾きまくる地味ながらブルージーなナンバー。そしてハリ・ジョージソンの名前で、ジョージ・ハリソンが参加した"So Sad"はジョージの書き下ろしで、ジョージが74年の「Dark Horse」に入れる隠れた名曲です。