第22回セレクト合戦曲目発表

■Young Persons Guide To Bonnie Raitt
ヤングなパーソンが、果たしてボニー・レイットに興味を示すのかどうかはおいときましょう。グラミー賞なんかを取って一般的な人気を博すようになったのは、90's以降ですが、僕なんかは圧倒的に70'sから80'sにかけてですね。特に売れなくて(時流に乗れなくて)、長年いたワーナーの契約を切られてしまってからの悪夢のような日々を知ってますから、復活は本当にうれしかったのです…

ボニー・レイットは、49年カリフォルニア出身のシンガー&ギタリストです。現在はブルーズ・ギタリスト〜シンガーと紹介される事が多いですが…
(1)You've Been in Love Too Long

Takin My Time

Takin My Time

オーリアンズのジョン・ホールがprodした3枚目「Takin' My Time」('73)から。マーサ&ヴァンデラスの65年のヒットのカヴァーですが、ここではぐっとファンキーに。この時代、ボニーにとっても結構冒険なarrでした。
(2)River Of Tears
Green Light

Green Light

元フェイシズのイアン・マクレガン(kb)率いるバンプ・バンド(bはミカバンドの小原礼)をバックにした「Green Light」は82年リリースで、当時のバック・トゥ・60's的な動きに呼応した傑作です。全体にタイトでロックンロールっぽい曲が多いですが、リチャード・マニュアルをコーラスにしたこのエリック・カズ曲では泣かせます。prodはロブ・フラボニ。思えばボニーがエレキ・スライドを弾いた曲は今回これだけになってしまいました。
(3)Runaway
No Nukes

No Nukes

81年のMUSEコンサートのライヴ「No Nukes」からで、スタジオ・ヴァージョンは「Sweet Forgiveness」('77)に入っていました。オリジナルはもちろんデル・シャノンです。
(4)Nothing Seems Matter Without You
Give It Up

Give It Up

72年の大傑作「Give It Up」はウッドストックサウンドの傑作でもありますが、あまりにそっちの色合いが濃くて、ちょっとボニーの色とは違うなあとも思います。それでも浴びるように聞いた1枚。日本デビュー盤で邦題は「ボニー・レイット登場」でした。この曲はsaxやvibeがジャジーでブルージーなオリジナル。prodは最近ではブルーノートの発掘で知られるマイケル・カスクーナ。
(5)Since I Fell For You
Bonnie Raitt

Bonnie Raitt

同傾向の作品ですが、71年のデビュー作「Bonnie Raitt」から。レニー・ウエルチのヴァージョンで知られるブルージーなやつ。余談ですがこの曲をリクエストしてピーター・バラカンさんの放送でハガキが読まれた事があります(^^;
(6)Guity
Takin My Time

Takin My Time

再び「Takin' My Time」からランディー・ニューマン曲。僕はナザレスのヴァージョンで初めて知りましたが…
(7)Give It Up Or Let Me Go
Give It Up

Give It Up

エイモス・ギャレットがclで参加してる事で知られるセカンドのタイトル曲で、生スライドを弾きまくるボニーが圧巻です。現在はバリバリスライド弾きまくるボニーも当時は、生スライド(ナショナル・スティールg)しか弾きませんでした。ディキシー風でもあります。
(8)Sugar Mama
Home Plate

Home Plate

デルバート・マクリントン&グレン・クラークのスワンプ曲をカヴァーしたもので、マーク・ジョーダンのclavinetとジョン・ホールのスライドがいい味を出しています。ポール・ロスチャイルドがprodした「Homeplate」('75)から。相棒フリーボのtubaも聞こえます。
(9)Everything That Touches You
Streetlights

Streetlights

74年の「Streetlights」はLP当時日本でも出ず、地味な一枚として知られていました・ジェリー・ラガヴォイというサザン・ソウル系のprodということもあってR&B系の曲が多いですが、こういったMORっぽい曲(作者はメイケル・ケイメン)もあって中途半端でもあります(でもこれはいい曲)
(10)Thank You
Bonnie Raitt

Bonnie Raitt

再びファーストから。モーリス・ジャコックスの吹くfluteが夜明け前っぽくて昔から好きです。地味ですが。これもオリジナル。
(11)Bye Bye Baby
Glow

Glow

80年のピーター・アッシャーprodの「The Glow」は、ポール・ロスチャイルドで失敗したボニーのリンド・ロンシュタット化計画の第2ステップで、これまた成功したとは言いがたいです。何せ重いdsの音(リック・マロッタ)がボニーには似合わない。メアリー・ウエルズのモータウン曲のカヴァーですが、ポール・バターフィールドのharpソロがききものです。
(12)Love Has No Pride
Give It Up

Give It Up

これは定番でしょう。リビー・タイタスとエリック・カズによる永遠の名曲。いろんなヴァージョンがありますが、歌心という点でボニーのヴァージョンが一番かと思います。

(14)Love Me Like A Man
ボーナス・トラックです。音はショボイですが73年のリトル・フィートをゲストに迎えた未発表ライヴです。曲はセカンドにおさめられたクリス・スミサーのナンバーで、途中ローウェル・ジョージのソロがあります。