09083■■■用心棒('61日本)
- 出版社/メーカー: 東宝
- 発売日: 2007/11/09
- メディア: DVD
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主演:三船敏郎、仲代達矢、加東大介、東野英治郎、土屋嘉男、司葉子
小林信彦が黒澤映画について語った「黒澤明という時代」を読むと、僕が娯楽時代劇の大傑作だと思っていた「用心棒」が殺気*1ばしった問題作となってて意外な印象を受けました。それまでの時代劇の殺陣では骨や肉を切るような「音」はなく、リアルに徹した殺陣シーンには痛快さよりもショックを受けたととのこと。確かに開巻まもない宿場町のシーンで野良犬が手首を加えてくるシーンにはショックを受ける。封切り前から「用心棒」の出来は話題となっていて、日活は同じ週に似たようなタイトルの「用心棒稼業」という無国籍アクションを封切ったという。
さて仲代のマフラーとピストルが時代にそぐわないとか、言う点はないけど、この卯之介のキャラは秀逸。人魂見ると胸がスカーッとする」という名せりふを残した亥之吉(加東)もいい。藤原釜足、志村喬、山田五十鈴といった黒澤映画の常連がすべて悪役というのも印象的です。
*1:その殺気は前作「悪い奴ほどよく眠る」の興行的失敗による黒澤プロの赤字によるものではないか、と書かれている