All The Young Dudes:Mott The Hoople

お化粧したロックが嫌いです(見た目)。それはもう昔から変わらなくて、一種の強迫観念みたくなってる。だからグラム・ロッカーの動く姿なんて決して見たくない。でもブギ主体のグラム・ロックの音楽自体は決して嫌いではないです。
モット・ザ・フープルは売れなかったIsland時代が好きで、特にファーストは衝撃を受けました。そのIsland時代は売れなくて、解散を決めたところ、救いの手を差し伸べたのがデイヴィッド・ボウイと言われています。そのボウイがprodして72年にリリースされたのがCBS移籍第1弾となった「すべての若き野郎ども」です。帯の文句がすごい。

現在のロンドンは美しくお化粧して、きらびやかに着飾った若者の街となった。このグラム・ロックの一番新しいヒーローたちがモット・ザ・フープル。「すべての若き野郎ども」はロンドンの新しい感覚のグラムな若者のテーマ曲となってしまった。新しい時代に生きている貴方ならすぐにためらうことなくこのアルバムを聞くべきです。

今の耳で聞くとグラムっぽく感じるのは、歌詞の面でゲイ賛歌とも言えるタイトル曲、ストーンズタイプの"Jerkin' Crocus"、"One Of The Boys"(リフはそのままバッド・カンパニーの"Can't Get Enough"に流用。といってもその曲はラルフスがイアン・ハンターにダメだしを食らった曲なんだけど)ぐらいで、基本的にはIsland時代とはあまり変わってない事に気付きます。もちろん、ファーストやセカンドでみせたディランっぽさは消えてますが。Tレックスやボウイ、更にゲイリー・グリッター、スウィートらこの年の夏にチャートをかけのぼったグラム勢の音とは明らかに違います。ボウイがprodしたこと、ステージでの印象からグラム勢に入れられてしまったけど、モット・ザ・フープルグラム・ロックではないのじゃないか…とも今回改めて感じました。
1曲目がルー・リードのヴェルヴェット時代の"Sweet Jane"で、伸びのあるgが明るいイメージです。"Sucker"は、ボウイがsaxで参加した曲で、mandolinも入ってモンドなロイ・ウッド的でもある。"One Of The Boys"と"Soft Ground"(voはヴァーデン・アレン)は、アレンの弾くorganが2期パープルの地味な曲(「Fureball」あたりに入ってそうな)なムードで面白い。ラルフスがバド・カンに持ち込んだ"Ready For Love"は、ラルフスのvoです。