まさしく青春の1枚

愛の季節

愛の季節

■In The Nick Of Time:Nicolette Larson
これはもう僕にとって青春の1枚。オーセンティックなカリフォルニア・サウンド最後の砦が、ニコレット・ラーソンのこのセカンド('79)でした。元々カントリー畑のバック・コーラスからスタート。ゲイリー・スチュワート、ガスリー・トーマス、エミルー・ハリス、ノートンバッファロー、マーシャ・ボールらのアルバムにコーラスとして参加するなか、ニール・ヤングの「American Stars'N' Bars」で注目され、78年にソロデビュー。prodはテッド・テンプルマンで、ドゥービーとリトル・フィートに娘のように可愛がられ、満を持してリリースされたこの2枚目で力強い歌声とサウンド・プロダクションを展開しています。バンドはポール・バレル(g/フィート)、ボブ・グロウブ(b)、リック・シュローサー(ds)、ビル・ペイン(kb/フィート)、ボビー・ラカンド(perc)、ジム・ホーン(sax)というのが基本。まずは後に"Maniac"というヒットを出すマイケル・センベロをフィーチャーしたディノ&センベロの74年作(共作者がリーバー&ストーラー)の"Dancin' Jones"が素晴らしいです。ディスコっぽいarrですが、ストーンズを聞くとコントロールを失っちゃう(lose control)女性の話。このオリジナルは一度だけ萩原健太さんの番組で聞いたことあります。そしてタイトル曲"Just In The Nick Of Time"ではロニー・モントローズが印象的なgソロを聞かせるロックンロール。重いリズムはシュローサーですが、隙間を埋めるラカンドのcongaも印象的です。マイケル・マクドナルドとのデュエットの"Let Me Go Love"を挟んで、リチャード・トランスの"Rio De Janeiro Blue"はランディ・クロフォードもやってました。フリューゲルのソロも気持ちいい。A面ラストはチャンキーことローレン・ウッドの新曲"Breaking Too Many Hearts"。B面はスプリームスの"Back In My Arms Again"から。ここではAgainは取れてますがオリジナルでは入ってます。再びチャンキーの"Fallen"は、後に映画「プリティ・ウーマン」にチャンキーのヴァージョンが使われた事で有名になりました。ボビー・トラウプの古いナンバー"Daddy"に続いてカーラ・ボノフの"Isn't It Always Love"。これは名曲ですがニコレットのハイトーンのコーラスがエンディングにしか聞けないのが残念。ヴィクター・フェルドマンのmarimbaも聞けます。フィートのカヴァー"Trouble"はヴァン・ダイク・パークスのピアノに乗せて歌われるもの。


この2曲は当時フィルム・コンサート(死語)で見た覚えあります。