#6ホワイト・ライト

Gene Clark

Gene Clark

■Gene Clark
ジーン・クラークは、オリジナル・バーズでは一番好きな人です。それはやはり「ホワイト・ライト」のおかげでしょう。ジーン・クラークは丁度トラフィックにおけるデイヴ・メイスンのようにバンドを出たり入ったりしていますが、脱退後ダグ・ディラードと結成したディラード&クラークの1枚目はFBBの1st、バーズの「Rodeo」と並ぶ68年のカントリー・ロック(この3枚が同じ頃に録音されたというのもすごい)のエポックメイキングな作品です。D&C解散後クラークがリリースしたのが「Gene Clark」(A&M)ですが、何故か「ホワイト・ライト」として親しまれているものです。とりわけ日本では、77年にやっと日本盤LPが出てから事あるごとに再発されており、LAスワンプ〜カントリー・ロック〜sswの定番アイテムの一つとなっています。ジェシエド・デイヴィスがprodし、マイク・アトレー(org)、クリス・エスリッジ(b〜FBB、LAゲタウェイ)、スティーヴ・ミラー・バンドのベン・シドラン(p)、ゲイリー・マラバー(ds)、ジョン・セルク(g)によるシンプルなバッキングです。"Spanish Guitar"などシンプルな弾き語りから、クラークのエモーシャナルなharmonicaの入ったタイトル曲、JEDの必殺のスライドの入った"One In Handred"などA面は浴びるくらい聞きました。
そもそも初めて聞いたのは、高校の頃ウエスト・コースト・ロックのファンジンを通してやり取りしていた当時大学生の住友さんという方に、ドゥービー・ブラザーズの79年の来日コンサートのテープのダビングをお願いしたところ、これ僕好きだからテープの余ったところに入れといた…という親切だったのですが、ある意味この良さが分かるのに数年かかったような気もします。後半に入った"Tears Of Rage"は、ザ・バンドのカヴァーで燃えたぎるような演奏の中に男の哀愁を感じます。思えばバーズのメンバーの中でこれほどssw的なムードを持った人もいなかったなあ。故デニス・ホッパーの主演した映画「American Dreamer」の主題歌も弾き語りで歌ってました。