#17ライヴバンドとしてのデッド

The Grateful Dead (Skull & Roses)

The Grateful Dead (Skull & Roses)

Grateful Dead
ライヴ・バンドとしてのデッドの最初のピークを示すのが71年の2枚組「Grateful Dead」でしょう。Theがついてない方は、通称「Skull & Roses」と呼ばれるものです。ジャクソン・ブラウンが「Ruunig On Empty」を出した頃、新曲(未発表曲)ばかりで構成されたライヴ盤はデッドにもあった、という評がありましたけど、それはカヴァー中心の本作を言います。マール・ハガード、ジョン・フィリップス、クリス・クリストファソン、バディ・ホリーチャック・ベリーなどどれもデッド流にarrされた演奏は楽しいです。この時期ミッキー・ハートが抜けており、マール・サンダース(kb)がゲストで加わっています。

Europe '72

Europe '72

72年には「Europe'72」という3枚組のライヴも出ました。観客動員数の面では群を抜くデッドも、スタジオ・アルバムのセールスというとさびしいもので、これもWarnerの苦肉の策でしょう。タイトル通り72年の欧州ツアーのもので体調不良のピグペンをサポートする形で(結果的には彼の最後のツアーになってしまいました)、キース・ゴドショー(kb〜デイヴ・メイスン・グループ)、ドナ・ゴドショー(vo)が参加しています。女性コーラスが加わった事で華やかな印象を受けますが、前半は歌もの、後半はインプロヴィゼーション中心の内容です。
これの番外編ともいえる「Hundred Year Hall」('95)も後にリリースされました。
Hundred Year Hall

Hundred Year Hall

更に73年には亡くなったピグペンに捧げられた70年のライヴ盤が出ました。これで3作連続でライヴです。バンドのエンジニアアウズリー・スタンリーが選曲したことから彼の愛称を取って「Bear's Choice」と呼ばれている「History Of The Grateful Dead,Vol.1」です。
Vol. 1-History of the Grateful Dead-Bears Choice

Vol. 1-History of the Grateful Dead-Bears Choice

73年にGrateful Deadレーベルを作り「Wake Of The Flood」('73)、「From Mars Hotel」('74)、「Blues For Allah」('75)をリリースします。ワーナー、キング、東芝EMIとどれも発売会社が違うので、個人的な統一感はないですけど、「Mars Hotel」の"Unbroken Chain"は超名曲です。「Allah」は大昔に撃沈した1枚。今聞けば印象も違うのかも。いずれにせよ個人的にピークは過ぎた印象を受けるこれ以降の作品です。久々のライヴ「Steal Your Face」('76)の音圧の低さにはがっかりでした。