#29後期CCR

■Cosmo's Factory:CCR

70年に出た5枚目「Cosmo's Factory」から"Travelin' Band"(#2)/"Who'll Stop The Rain"、"Up Around The Bend"(#4)/"Run Through The Jungle"、"Lookin'Out My Back Door"(#2)/"Long As I Can See The Light"、の6曲のシングル・ヒットが生まれました。ルーツ系のサウンドでありながらきっちりポップスの枠に入れてしまうキャッチーなセンスはさすがと思う反面、物足りなさもあります。カヴァーも4曲あってマーヴィン・ゲイの"I Heard It Through The Grapevine"は異色です。

70年にはもう1枚「Pendulum」をリリース。ここからは"Have You Ever Seen The Rain"(#8)のヒットも生まれましたが、いささか地味という評価です。このあとトム・フォガティーが抜けトリオ編成となり71年に「Mardi Gras」をリリースして解散(最終作では民主的というか、他の二人がvoを取るナンバーも収録)しています。初期にあったスワンプ的なR&Bらしさは影をひそめいつからか、明るいカントリー的な要素がCCRサウンドの基本となっています。オリジナルに忠実な"Hello Mary Lou"のカヴァーなどその典型です。

こういったカントリー趣味はフォガティーの持ち味で、解散後ブルー・リッジ・レインジャーズ名義で出たフォガティーのソロが全編カントリーのカヴァーだったことからも明らかです。

75年には再びマルチダビングを重ねたセカンド「John Fogerty」が何故かAsylumから出ますが、"Rockin' All Over The World"や"Almost Saturday Night"といった名曲がありながら、弱いのは一人でやってるからかなあ。

この後しばらくフォガティーはシーンから姿を消していましたが、85年の「Centerfield」でカムバック。"The Old Man Down The Road"はよくMTVで流れてました。

冒頭のスワンプはいかにもでした。

CCR解散後、ダグ・クリフォード(ds)とスチュ・クック(b)は72年にクリフォードのソロ「Cosmo」で共演。その後元クロウフットのラッセル・ダシエル(g)、ドン・ハリソン(vo)とドン・ハリソン・バンドを結成。AtlanticとMercuryに3枚のLPがあります。出来そこないのCCRといった具合です。