何事もなかったようにまた始まる…

ミュージック・フロム・ペンギン・カフェ(紙ジャケット仕様)

ミュージック・フロム・ペンギン・カフェ(紙ジャケット仕様)

■The Sound Of Someone You Love Who's Going Away And It Doesn't Matter / The Penguin Cafe Orchestra
82年だかに出たペンギン・カフェ・オーケストラのセカンドが、パンク〜ニュー・ウェイヴを通過した耳にはひどく新鮮に聞こえたのは事実でした(吉祥寺には同名のカフェがありました)。それに先立つ事数年前の76年にひっそりとペンギン・カフェ・オーケストラのファースト「Music FromThe Penguin Cafe」がリリースされています。Island傘下に、ブライアン・イーノが設立したレーベルObscureは、若い実験的な現代音楽家の作品をほぼ同一ジャケでリリースしたもので、ペンギン・カフェのは、その7番目にあたります。サイモン・ジェフス(g,b,uklele,kb)が結成した少人数の室内楽団で非ロック的でありながら、ある意味ロック的であるという不思議な音楽です。
12分にわたる"The Sound Of〜"は、"君が去ってゆく音がするけどそれは大したことじゃないよ"(だったかな)という邦題が素晴らしい。甘美なメロディーの裏に潜む毒の存在がひしひしと感じられる名曲です。エンジニアも務めるスティーヴ・ナイ(kb)は奇しくもフリートウッド・マックの「PenguinというLPでメンバーだったこともあります。