メンバーのだれもがサーファーではない

Hey Beach Girls

Hey Beach Girls

■Hey Beach Girls!:VA
サーフ系のガール・グループのコンピは今までなかったなあ…という部分では新しいかも。英Aceから今年出たコンピが本作。定番とも言えるハニーズもあるけど大半は初聞きかな。
ロジャー・クリスチャン=ゲイリー・アッシャー作というサーフィン・ホットロッドの典型パターンによる"Cycle Set"(ドナ・ローレン)は、65年のLP曲。なんでもドクター・ペッパーのCMに出てた人らしい。ハル・ブレイン&ザ・ヤング・クーガスはダーレン・ラヴがvoを取る企画もの。セッション・マンとして知られたハル・ブレイン作で"Dance With The Surfin Band"は63年のシングル。BB5の"Surfin' USA"がチャック・ベリーの"Sweet Little Sixteen"を下敷きにした話は有名ですが、"Johnny B Goode"の替え歌がサーファー・ガールズの"Draggin' Wagon"('64)です。ビーチ・ボーイズならぬビーチ・ガールズというのもありました(こういうのは早いもん勝ち)。"He's My Surfin' Guy"はまあフツーの曲。エンジェルズは"My Boyfriend's Back"のあのグループですが、"My Boyfriend's Woody"は64年のLP曲。ブームのさなか作られた様な曲ですが、ちゃんとツボはおさえてます。オーストラリアのリトル・パティ&ステイツメンは当時14歳のリトル・パティをフィーチャーしたものです。まあ他愛ないけど楽しいです。フィル・スペクターテディ・ベアーズのメンバーだったキャロル・コナーズがサーフェッツ名義で出した"Sammy The Sodewalk Surfer"('64)もノヴェルティ感覚あふれてます。特に後半。66年にコナーズ名義で"Lonely Little Beach Girl"をリリース。これはオーソドックスなオールディー・バラード。スーザン・リンの"Don't Drag No More"('64)も有名曲かな。語りありのオーソドックスな作りも大手のCapitolらしいです。ジャック・ニッチェが名づけたというウエストウッズはA&Mのグループで65年の"I Miss My Surfer Boy Too"は見事なスペクター・イミテーション。"Will You Love Me"はそのB面で65年曲。voはニッチェ夫人のグラシア。GSっぽい"Riding The Waves"はディー・ディー・シャープの63年曲。アイドル、アンドレア・キャロルの"Hey Beach Boy"も有名曲かな。仏のル・ガムズの"Attention! Accident"は"Shut Down"の仏語カヴァーでまあ珍品ですね。ウェイラーズ・ウィズ・ザ・マーシャンズのクレジットがある"We're Goin' Surfin'"はあのウエイラーズでしょうか。確かにレゲエタッチでトロピカルな曲調。voはマーシャンズというトリオが担当。BB5のカヴァーの"Surfin'"をやってるのはオーロンズ("The Wah Watusi!")です。さらにシュープリームズのHDHによる"Surfer Boy"には泣けます。泣きのインストに近いキングピンズの"Rod Hot Rod"に続いて再びダーレン・ラヴがらみのデュアン・エディ&ザ・レベレッツの"Your Baby's Gone Surfin'"('63)。そしてラストはエリー・グリーニッチが歌うエリー・ゲー&ザ・ジェッツのノヴェルティあふれる"Red Corvetee"です。
ジャケットがしょぼくて残念。でも中身はなかなか良いです。