every#3

Double Fun

Double Fun

■Every Kinda People / Robert Palmer
今年はロバート・パーマーから始めましょう。
ロバート・パーマーとジェス・ローデンとフランキー・ミラー。事あるごとに書いてますが70'sを代表する渋めのブルー・アイド・ソウル・シンガー(実際には目は青くないですが)3人です。共に70's半ばにはR&B色濃いブルーズ・ロック・バンドに在籍(ヴィネガー・ジョー、ブロンコ、ジュード(これはきわめて短命に終わりましたが))、同じ時期にニュー・オーリンズアラン・トゥーサンを訪ねミーターズをバックにレコーディング。とここまで遜色が付きませんがいつからかそれぞれ道は離れてしまいました。ローデンは自身のバンドを率いてコンスタントにLPをリリース。しばらくすっかり忘れられていましたが、近年は再評価の兆しがあります。ミラーはバンド運に恵まれず、組むバンドが次々に解散。但しミラーのバンドにかかわったミュージシャンはどれも通好みの英国ロッカー、職人であります。90'sに脳梗塞のため声を失っています。そしてパーマー。3人のうちでは最も成功した人で、ダンディなルックスもさることながら後の二人にない、未知のジャンルに呼応できるセンスを持っていました。つまり時代がニュー・ウェイヴ、ダブ、ファンクに流れて行った時に自分なりのアイディアを出せた人でした。それが85年の「Riptide」であり、"Addicted To Love"の大ヒットなわけです。

さてパーマーの最初の大きなヒットとなった78年の4枚目「Double Fun」(Island)からの"Every Kinda People"です。steel-dsとclavinetが紡ぎ出すファンキーな音色は今もって新鮮に聞こえます。このMidnight Specialでのライヴは特にカッコいい。余裕のプレイですねえ。