11004◆◆◇五月のミル('89仏伊)

五月のミル【HDニューマスター版】 [DVD]

五月のミル【HDニューマスター版】 [DVD]

監督:ルイ・マル
出演:ミッシェル・ピコリ、ミュウ・ミュウ、ミシェル・デュシュソワ
五月革命とは、68年にパリで起きたストラスブール大学の反体制的な学生運動とそれに対する政府の弾圧に端を発する大がかりなゼネストとドゴール政権の解体(その後の国民投票によって復活)をいいます。「五月のミル」は南仏の田舎町で、老母の葬式に集まったブルジョア一家がストによる混乱、革命によって金持ちは殺されるというデマゴーグに右往左往する様が描かれた辛口のコメディーです。

'68年5月・世間では五月革命のころ。南仏ジェールのヴューザック家。当主の夫人(ポーレット・デュボー)が死に、長男のミル(ミシェル・ピッコリ)は彼女の死を兄弟や娘たちに伝える。駆けつけたミルの娘カミーユ(ミュウ・ミュウ)と彼女の子供たち、姪のクレール(ドミニク・ブラン)とその女友達マリー・ロール(ロゼン・ル・タレク)、弟のジョルジュ(ミシェル・デュショソワ)と彼の後妻リリー(ハリエット・ウォルター)たちは革命と遺産分配に熱中。そんな折、公証人ダニエル(フランソワ・ベルレアン)の読みあげる夫人の遺書の中に、手伝いのアデル(マルティーヌ・ゴーティエ)が相続人に含まれていると知った一同は驚く。その夜パリで学生運動に参加しているジョルジュの息子ピエール・アラン(ルノー・ダネール)がトラック運転手のグリマルディ(ブルーノ・ガレット)と、屋敷に現われる…。

登場人物の整理がなかなか難しい。ミルの子供はカミーユだけで、カミーユは公証人ダニエルと、ミルは義妹になるリリーと、ミルの姪クレール(女も男もいける)はグリマルディと、クレールの恋人マリーはミルの甥ピエール・アランと、それぞれいい関係になりそうになるという危うさ。ミルの孫になる少女フランソワ―ズが、「ピルって何?」「精液って何?」「クレールは友達をどうして縛るの?」とか鋭い質問が笑えます。