女性名#3

Cantamos

Cantamos

■Suzannah / Poco
ポコの8枚目は、74年リリースの「Cantamos」。当時の邦題は「僕等の歌を」だった気がします。手持ちのLPは再発なんでジャケットも普通ですが、オリジナルはダイカットの変形ジャケで、一説にはこれをめぐってEpicと揉め移籍となったという話です。
よく言われるようにカントリー・ロックと呼ぶには力強すぎる部分もあって、初期のファンには辛いらしいです。「カントリー・ロック」というよりも、steel-gの入ったアメリカン・ロック・バンドというスタンスに近いです。まだvoは取っていませんがラスティ・ヤングが積極的に曲作りに参加し、3曲提供。ポール・コットンとの両頭体制になっています。演奏面ではsteel、banjo、dobroをこなすヤングがイニシアティヴをとっていますが、半数以上の曲でvoを取っているのはコットンです。とりわけ"High And Dry"(これはヤングの曲で珍しくジョージ・グランサムのdsソロがあります)、"Western Waterloo"、"Another Time Around"(スライドがフィーチャーされたなかなかカッコイイ)でのハードな演奏が、リッチー・フューレイのいた頃のポコとは明らかに質感が違います。もちろん従来の路線もちゃんとあって、冒頭の"Sagebush Serenade"(後半の高速インストの充実ぶりはヤングならでは)、泥くさい"Susannah"、ティモシー・シュミットが書いた2曲"Bitter Blue"、"Whatever Happened To Your Smile"などは、メロディアスなポコが堪能できます。それでも次作「Head Over Heels」はABCに移籍しての物ですがややアコースティックな路線に戻っていますが。
"Suzannah"は、コットンが歌うゆったりとしたそして泥くさいナンバー。ルーズなdobroがなかなかホンキー・トンクです。