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小さな恋のメロディ ― オリジナル・サウンドトラック

小さな恋のメロディ ― オリジナル・サウンドトラック

  • アーティスト: サントラ,ザ・ビージーズ,クロスビー,スティルス,ナッシュ&ヤング,リチャード・ヒューソン・オーケストラ,リチャード・ヒューソン・オーケストラとコロナ・スクールの学生,リチャード・ヒューソン・オーケストラとバリー・ヒューソン,コロナ・スクール,バリー・ヒューソン
  • 出版社/メーカー: ユニバーサル インターナショナル
  • 発売日: 2002/05/02
  • メディア: CD
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■Melody Fair / The Bee Gees
ファルセットを多用しない時代のビージーズの代表作というと68年の「Odessa」*1あたりになるのでしょうか?世界的には無名*2ながら日本で大ヒットした映画「小さな恋のメロディ」('71英、ワリス・フセイン監督)では、ビージーズの作品が5曲使われていました。ある世代にとっては琴線を震わせるナンバーが、この"Melody Fair"です。
山下達郎の"メロディー君の為に"はひょっとしたらこの映画へのオマージュでしょうか?

小学生のカップルの結婚を描いた、センチメンタルな映画の大ヒット(70's半ばまでヘラルド映画が何度もリヴァイヴァル上映させ、その後TV放送も何度もされました。75年に中一だった僕はこのTV放送世代で、アラン・パーカーによる原作が文庫化(ハヤカワ文庫NV)されたのも75年頃と記憶しています)に伴い、日本でのビージーズの人気もさらに上昇したようです。
ここで使われた5曲の大半は前述の「Odessa」からのもので、この"Melody Fair"もそう。

映画の方は、マーク・レスタージャック・ワイルド、そしてトレイシー・ハイドが主演。とりわけメロディを演じたトレイシーの人気がティーンを中心に爆発し、おそらくはこれ1本のつもりだったティーン女優が、東洋の島国で熱狂的な支持を受けたことによる戸惑い、困惑みたいなものが、今となってはよくわかります。70's後半の「スクリーン」誌、「ロードショー」誌の人気投票では常に上位にランクされていた記憶があります。あまりの人気に目をつけた映画会社が日本で次の作品の企画を立てたことがあったそうですが、本人はまったくその気のなかった様なので実現しませんでしたが、そうは言えない(書けない)ので雑誌には常に次回作準備中という記載もあった気がします(沖雅也との共演作も準備されていたとか)。僕自身もう何度も見てますけど、さすがに10代の頃感じた新鮮な気持ちはないですが、楽器のアンサンブルのシーンには今もせつなくなります。むしろ今の視点で見ると、英国の歴然とした階級社会の格差(金持ちとか貧乏人とかそういうレベルではなく)が浮き彫りになりますね。学校サボって二人が行く遊園地は、モッズの聖地、ブライトンです。ちなみに劇伴音楽を担当したリチャード・ヒューソンと言う人は、ラー・バンドの人です。

*1:ジャケットがヴェルヴェット地でした。こういうパターンはドン・ニックスの「Living By The Days」もそうでした

*2:最近はyou tubeの動画でも中国系の人がこの映画の動画を投稿してたから一概にそうとも言えないですけど