カーリー・サイモン

Come Upstairs

Come Upstairs

■Come Upstairs:Carly Simon(Warner Bros:2-3443-US)
Spy」('79)を最後にElektraを離れ、Warner Brosに移籍したカーリー・サイモンの「Come Upstairs」('80)は来たるべき80'sに向けての力強いロック宣言ともいえる内容で、NYのパワー・ステーションで録音されたロック色濃いものです。prodはvb奏者のマイク・メイニエリでほとんどの曲をカーリーと共作し、kb,synをプレイ。シド・マッギニス(g)、トニー・レヴィン(b)、スティーヴ・ガッド(ds)、ピート・ヒューレット(g)、ケン・ランドラム(syn)、リック・マロッタ(ds)らNYのスタジオ・ミュージシャンがこぞって参加しています。ヒットしたハートウォームな"Jesse"がやや浮いてしまうほど、きらびやかなネオンを思わせるsynが入ったロック・ナンバーが満載で、今となってはずいぶん無理してる感じもしますが、タイトル曲なんぞは当時の最新トレンドと、あの頃は盛り上がったものです(この曲では旧友ビリー・マ―ニットの名前も)。"Stardust"も力強いロック・ナンバーで続く"Them"はかなりお遊び風ダンス・チューン。"Jesse"(マッギニスの弾くジョージ・ハリスン風slideが心地いい)を挟んでクラシカルな"James"は、JTを歌ったものですが、メイニエリとの交流が次第に恋愛関係に流れるなど少々皮肉です。B面に当たる後半もヘヴィな曲が続きますが、"Take Me As I Am"の疾走感は今も有効かと… ジャケットはミック・ロックです。