11044◆◆◆日本の熱い日々 謀殺・下山事件('81日本)
監督:熊井啓
出演:仲代達矢、山本圭、隆大介、中谷一郎、浅茅陽子、平幹二郎
下山事件、三鷹事件、松川事件という戦後間もない頃の「国鉄三大ミステリー」と呼ばれる未解決の事件のうち当時の下山国鉄総裁が轢死した事件を扱ったもの。原作は矢田喜美雄のノンフィクション「謀殺・下山事件」で、当時朝日新聞記者だった作者を仲代達矢が熱演したドキュメンタリー・タッチの骨太な実録ものになっています。同じ題材を松本清張が「日本の黒い霧」でもとりあげ、米軍のCIC(防諜部隊)の関与があったと推理しています。その背景には東西冷戦下において日本を反共の防波堤にしようとした米側の思惑、経済体制の立て直しから公務員の大量解雇政策の施行(10万人近い国鉄労働組合の人員整理に対して躍進する日本共産党を中心とした左派の強力な反対がありました)などがあったと言われています。