彼らは夜しか現れない

ゼイ・オンリー・カム・アウト・アット・ナイト(紙ジャケット仕様)

ゼイ・オンリー・カム・アウト・アット・ナイト(紙ジャケット仕様)

■They Only Come Out At Night:The Edgar Winter Group
R&B色濃いホワイト・トラッシュを解散させた後、エドガー・ウィンターはよりポップなロックンロールを披露するバンド、エドガー・ウィンター・グループをスタートさせます。メンバーはエドガー(vo,kb,sax,perc)、ロニー・モントローズ(g)、ダン・ハートマン(vo,b,g)、チャック・ラフ(ds)の4人。72年にリリースされた「They Only Come Out At Night」(Epic)は、メイクしたエドガーのヌードのジャケットが強烈なインパクトで、日本盤LPはジャケットを裏表逆にしてリリースされました。歌えるメンバーが二人いることから曲の表情はぐっと広がった感じです。ハートマンが持ち込んだ絶妙なポップセンスは、ヒット曲"Free Ride"(#14)やサンバ的な"Alta Mira"、そして必殺のバラード"Autumn"で堪能できます。"Hangin' Around"(#65)もハートマンのvoか。一連の曲で派手ではないけどいいgを弾くモントローズは自分の曲が取り上げられないことを不満にこのLPリリース後脱退し、自身のバンドモントローズを結成します。今回prodやgで一部に参加したリック・デリンジャーはこの時点ではまだ正規のメンバーではないですが、"When It Comes"でのスライドや"Round And Round"でのsteelなど職人的な技を披露。エドガーのvoはハートマンに比べてシャウトするタイプで"Undercover Man"ではねちっこいハードロックを完成させています。"We All Had A Real Good Time"は、"Free Ride"同様ランディー・ジョー・ホブス(b)、ジョニー・バダナジーク(ds)が参加したもので、泥くさいファンキーなハードロック。スライドはデリンジャー。そして圧倒的な迫力のインスト"Frankenstein"(タイトルの意味は編集とダビングを繰り返したツギハギの曲から来ている)でアルバムは〆られます。