ベスト・オブ・ロネッツ

THE BEST OF THE RONETTES

THE BEST OF THE RONETTES

■The Best Of Ronettes
三夜連続でロネッツのことを書きます。まず忘れもの。63年のクリスマス向けに「A Christmas Gift For You」という有名なクリスマス・アルバムがリリースされ、ロネッツは3曲を担当。すなわち(17)Frosty The Snowman(18)Sleigh Ride(19)I Saw Mammy Kissing Santa Claus。まあこれらは季節ものだし、僕はそういう習慣(クリスマスのクリスマスソング聴く)ないのであまり聞かない。それでも初めて買ったスペクターものはクリスマスものとベスト盤が抱き合わせで2枚組になった英Phil Spector Internationalの廉価盤でした。
Christmas Gift for You From Phil Spector

Christmas Gift for You From Phil Spector

さて後期Phillesのロネッツ作品は、チャートこそ低いですが決して出来が悪いわけはないのです。65年の最初のシングルは6thの(20)Born To Be Together。#52とヒットとは呼べないけど、これ大好きな曲。マン=ウェイル=スペクター作。ここからロネッツ・フィーチャーリング・ヴェロニカというクレジットがシングルでもつくようになり後の2人(ネドラとエステル)は怒ったらしいけど、そもそもレコーディングにも参加させてもらえなかったようなんで、この辺の構造はCD、TVパフォーマンス、劇場とどれもメンバーが違うAKB48に近いものがあるのか(っていうかAKBには多数のネドラとエステルを抱えてる気もする)。(21)Is This What I Get For Loving You?は、7thシングル。ゲリー・ゴフィン=キャロル・キング=スペクターの共作。#75。B面の(22)Oh I Love Youは、スペクター単独作のバラード。66年に入ってPhillesでのラストシングルが、(23)I Can Hear Music。prodが作者の一人ジェフ・バリーの為か、これまでPhilles関連のコンピにはオミットされていたが今回めでたく収録された。#100
ビー・マイ・ベイビー:ザ・ヴェリー・ベスト・オブ・ザ・ロネッツ

ビー・マイ・ベイビー:ザ・ヴェリー・ベスト・オブ・ザ・ロネッツ

それでもビーチ・ボーイズのカヴァーの方が好きかも。

そのB面はLPから(15)。76年に英PSIから出た未発表曲集「Rare Masters Vol.1」「Vol.2」は公式には未CD化なれど、先の「Fabulous Ronettes」同様90年代初めに日本のM&Mが独自にCD化(ブート)していました。そこでは7曲の未発表曲が紹介されていました。
(24)Paradiseは、ニルソン、ギル・ガーフィールド、ベリー・ボトキン.Jr、スペクターの共作で先にシャングリ・ラスがとりあげたドリーミーなバラード。(25)Soldier Baby Of Mineは、スペクター=アンダーズ=ポンシア作。キャンディ&ザ・キッシズが取り上げたもの。(7)に近いムードで個人的には大好きな曲。(26)A Woman In Loveは、この未発表曲集から先行シングルとして75年にリリースされたもの。(27)Everything Under The Sunは、ボブ・クリュー=ゲイリー・ナイトの共作でprodも。ウォーカー・ブラザーズもカヴァー。(28)I Wish I Never Saw The Sunshineは、ドラマティックに歌われるバラード。バリー=グリーニッチ=スペクター作。(29)Keep On Dancingも同じメンツなれどこっちはキュートな小品。(30)Here I Sitは再びニルソンとスペクターの共作になるもの。この7曲中、AbckoからCD化されていないものは(26)(29)の2曲。

もう1曲(31)Baby Let's Be Loversというレア曲が「Wall Of Sound」('81)という9枚組ボックスに収録。今回you tubeで初めて聞きました。
この31曲が公式にPhillesから出たロネッツのナンバーです。末期Phillesの主役はライチャス兄弟なので、レーベルの閉鎖と前後してロネッツは解散。68年にヴェロニカはロニー・スペクターとなりますが、69年にA&Mからロネッツ名義(まあ同じことです)で(32)You Came, You Saw, You Conqueredをリリース。これはELOの"Turn To Stone"や渡辺満里奈の"うれしい予感"の元ネタとなったキュートなナンバー。作者はトニ・ワイン=アーウィン・レヴィンにスペクターです。このB面は(22)でした。#108