12010■■□ゴジラVSデストロイア('95日本)

ゴジラvsデストロイア [DVD]

ゴジラvsデストロイア [DVD]

監督:大河原孝夫
主演:辰己琢郎、石野陽子小高恵美林泰文、大沢さやか

VSシリーズ最終作。ひっそりと新浦安のポケットシネマで見た覚え(お客は3人!)。米国産ゴジラの製作にからんで、しばらくお休み、という事が事前に報じられてきたので、おしまい感が全編に漂う。ただこうして新作のゴジラ映画が見られなくなった状況(震災の影響もあるのでしばらくは震災を思わせるシーンがある怪獣映画は作られないだろう)で、あらためて再見すると、VSシリーズは決して悪くなかったなあとも思う。弟1作以来の河内桃子の出演で、林泰文志村喬の孫という設定。旧第1作のフィルムも随時挿入されている。もはや特撮よりも本編の方が気になる、という事は、怪獣映画失格なのだけど(デストロイアの造形とかもうどうでもいい感じになる)、本編は結構おもしろい。小高演じるサイキック少女も大人になり、ルックス的には今作が一番美しい。ゴジラの死と共に、私の役目は終わったと呟くシーンはなかなか泣かせる(現在は引退とか、悲しい)。他にも小美人を演じた、大沢さやかがピンで出演したり、ビオランテで高島弟役だった、パイロットを兄が演じたりという、内輪っぽいネタもあるが、辰己も石野も、篠田三郎上田耕一も悪くない。リトルゴジラがジュニアとなり、親ゴジラが溶解して死した時、ジュニアの咆哮で映画は終わる。今後を予感させつつ、直系の続編は作られなかった。音楽は伊福部御大で、総進撃テーマやサンダ対ガイラのテーマも聞けてうれしい。