ドン・フェルダー誕生日

はてなでブログを始める前は、今はなき「さるさる日記」で日記をつけていた。といってもスタイルは今とほとんど同じ。そのタイトルはOn The Border。もちろんイーグルスから取ったけど、一番好きなバンドは?と聞かれたら、当時はイーグルスと、少し恥ずかしそうに答えただろう。その後ドン・フェルダーの解雇、フライ&ヘンリーによる株式会社イーグルス設立(契約社員はウォルシュとシュミット)、「大絶賛」の来日公演の騒動があって、すっかり熱が醒めてしまった。今は少し持ち直したけど。"Hotel California"というある意味演歌的な哀愁のキラートラックがあるおかげで、熱心なイーグルスファンは、やれバーニー・リードンのいた初期こそ彼らの本質だ、とのたまう。けど作りもの(初期の段階からイーグルスはスタジオでずいぶん作りこまれたバンドだった。数あるブートを聞くとステージのあまりのラフさに唖然とする)であることを受け入れると、実に良く作りこまれた「Hotel California」('76)のすごさには恐れ入る。今でも「ドン・フェルダー、解雇」のキーワードでこのブログに来る方は多いけど、そんな記事あったかなあ。
経緯はこうだ。94年に解散時のラインナップでイーグルスが再結成。世界中をツアーして大きな成功を収めるが、お金の問題でフェルダーとフライ&ヘンリーはもめ(曲を作ったのに共作者としてクレジットされない)、フライ&ヘンリーは「バンドに貢献していない」という理由でフェルダ―を解雇。よってボックスの最後に入った99年の大晦日のライヴが最後の演奏となる。01年に解雇の撤回と報酬分配の見直しを求めてバンドを提訴。この裁判は
ドン・フェルダー自伝 天国と地獄 イーグルスという人生

ドン・フェルダー自伝 天国と地獄 イーグルスという人生

06年に示談が成立しているが、フェルダーは内幕ものとも言える自伝「Heaven & Hell」(邦訳:天国と地獄 イーグルスという人生)を上梓し沈黙を守る。
後期イーグルスの印象的なgのフレーズはフェルダーとジョー・ウォルシュのコンビネーションによって生まれたものです。ある意味メロディー以上にこのフレーズたちは印象的で、フェルダーのソロ「Airborne」は80'sのアメリカン・ロックのメインストリームが大味でつまらないものだったことを再確認するような凡庸な1枚ですけど、gのフレーズに限ってはハッとさせられるものも多いです。そんな才能の持ち主だからこそ、古い話にごちゃごちゃこだわらず音楽だけで生きてゆけばいい。イーグルス時代の曲を歌うことは結構だけど"Tequila Sunrise"をやることはないでしょう。ノスタルジア・サーキットだけでなく現役で行けるはずです。
去年サウス・サウス・アウォーズなる表彰式で"Hotel California"を歌ったフェルダー。

何と新作のニュースも。
http://donfelder.com/?don.html