ジャスト・フォー・ラヴ

WC010★★JUST FOR LOVE−Quicksilver Messenger Service ('70)

ジャスト・フォー・ラブ(紙ジャケット・生産数限定)

ジャスト・フォー・ラブ(紙ジャケット・生産数限定)

他のシスコ勢はどうだったのかと調べてみました。

スティーヴ・ミラー・バンドは「Number Five」というナッシュヴィル録音作を。
・ジェファーソンからはヨーマ・コウコネンとジャック・キャサディの二人がホット・トゥナを結成してラグタイムっぽいフォークブルーズなデビュー作(ライヴ)「Hot Tuna」をリリース。また中心人物のポール・カントナーは「造反の美学」という邦題がついた「Blows Against The Empire」と言うソロをリリース。シスコロックの要人が勢ぞろいした1枚で、ジェファーソン・スターシップの名前が初めて使われています。
ウッドストックで注目されCBSからデビューしたサンタナは、その人気を決定付けた「Santana Abraxas」をリリース。フリートウッド・マックのカヴァー”Black Magic Woman”がヒットしています。
・モンタレー・ポップ・フェスで注目されたジャニス・ジョップリンは元々テキサスの人ですが、シスコに移ってきて人気が出た人。フル・ティルト・ブギー・バンドをバックにした「Pearl」('71)完成を待たずにドラッグで12月に命を落としています。
・69年のデビュー作が強烈な印象だった、イッツ・ア・ビューティフル・デイは、2枚目「Marrying Maiden」をリリース。サイケとか中近東とか不思議なムードが若干薄れ、カントリー=ブルーグラス寄りになっています。

そしてブルーズとサイケデリックが有機的に融合したクィックシルヴァー・メッセンジャー・サーヴィス(QMS)は、オリジナル・メンバーで詩人のディノ・ヴァレンティ(”Get Together”の作者)が復帰した4枚目「Just For Love」で一気に勝負をかけて来たようにも見えます。ゲイリー・ダンカン(g,vo)、ジョン・シポリナ(g,vo)、デイヴィッド・フライバーグ(b,vo)ら6人組。ジェフ・ベック・グループから加わった英国人kb、ニッキー・ホプキンスもフィーチャー。GSっぽい感じもある”Fresh Air”はやはり名演です。

原盤 Capitol:SKAO498 70年8月リリース。