つづれおり

WC020★★★TAPESTRYCarole King ('71)

TAPESTRY

TAPESTRY

sswの時代が本格的にやってきた事を象徴するのがこのアルバムの大ヒットでしょうね。60'sからアイドル・シンガー、職業作家として活動してきたキャロル・キングは、NY出身で、68年にジェリー・ゴフィンと別れカリフォルニアに移ってきました。すでにこれまたNYから移ってきたフライング・マシーンのダニー・クーチや新しいパートナーのチャールズ・ラーキーらとザ・シティを結成しています。当時A&Mが配給していたルー・アドラーのOdeから「Writer」に続いてリリースされたのがこの「Tapestry」です。

さすがに長年聞いてると飽きてきて、ちゃんと聞き返すのは久々になるのですが、あらためて歌を引き立てるシンプルな演奏に参りました。キングの歌のあまりうまくないのですが、それが逆にフィットするというか、気の置けないリビング・ルームのような感じ(そこには素足とジーンズ、セーターの彼女が猫と一緒にいるのでしょう)を醸し出しているのです。どれも名曲、名演ですが、ファンキーなスタイルの”I Feel The Earth Move”やR&Bっぽい”Way Over Yonder”,そして"So Far Away”、”It's Too Late”の入ったA面が強力。ジョエル・オブライエン(ds)やジェームズ・テイラー(g)の参加はクーチ人脈でしょう。初期ユートピアのラルフ・シュケット(p)も含め東から西に移ってきた人が多いことにも注目。

僕がキャロル・キングの音に一番親しんだ80's初めにはOdeとA&Mの契約が切れてた為Epicからリリースされるまで、日本のレコード会社はこのLPを廃盤にしてました。それって信じられないです。

原盤 Ode:SP77009 71年2月リリース。