ジャクソン・ブラウン・ファースト

WC046★★★★Jackson Browne ('72)

Jackson Browne

Jackson Browne

Asylumレーベルの当初の目玉的存在だったジャクソン・ブラウンはすでにバーズ、トム・ラッシュ、ニコ、NGDBらに作品を取り上げられた期待の新人sswでした。同レーベルの第1弾に予定されながらあえてクリスマスシーズンを避け、72年の頭にリリースされたのは期待のあらわれもあったのでしょう。アコースティックな出来ながら、適度にエレクトリックな演奏も交えたその絶妙なバランスは、青くさいとも言える歌詞を含め今でも新鮮です。
ドイツ生まれで、カリフォルニアのオレンジ郡で育ったブラウンは、地元のシーンでは、スティーヴ・ヌ―ナンやグレッグ・コープランド、ペニー・ニコルズ、パメラ・ポーランドと共に注目された人でした。リチャード・サンフォード・オーショフがprodしたこのデビュー作には、ラス・カンケル(ds)、リー・スクラー(b)の他ジェシ・デイヴィスアルバート・リー(g)、デイヴィッド・クロスビー(vo)が参加しています。どの曲も素晴らしいのですが、ジミー・ファッデンがharmonicaで加わった(ブラウンは初期のNGDBのメンバーでした)”Child In These Hills”が個人的にはベストです。”From Silver Lake”での女性voはカンケル夫人でママ・キャス・エリオットの妹、リア・カンケルです。
布袋を模したジャケットには「Saturate Before Using」の文字があって、これは「使用前に水に浸すこと」という袋の使用上の注意と、「デビュー以前に幅広く浸透している」というブラウンのsswとしての価値をアピール、を兼ねているという説がありましたが、ブラウン側はそれを否定しています。

原盤:Asylum:SD5051 72年1月リリース。