ワン・マン・ドッグ

WC059★★★ONE MAN DOGーJames Taylor ('72)

前2作は基本的にアコースティックな弾き語りで何曲かはエレクトリックなバックがつくという具合でしたが、今作ではほとんどの曲でdsが入ってます。盟友ダニー・クーチ(g)、リー・スクラー(b)、ラス・カンケル(ds)、クレイグ・ダーギー(kb)のザ・セクションを中心に結婚したばかりのカーリー・サイモン(vo)、キャロル・キング(vo)ら親しい友人をテイラーの自宅に招いてのホーム・レコーディングを敢行。ジョー・ママっぽい”One Man Parade"、必殺のgが聴ける”Nobody But You”と小品ながら佳曲多し。間奏曲のインストを挟んだ構成もあざやかです。圧巻はビートルズの「Abbey Road」にも例えられる6曲のメドレーです。”Hymn”でのブレッカー兄弟の起用は同時期に録音されたザ・セクションの「セクション登場」でのセッションがきっかけだったと言います。この”Hymn”と”Fanfare”はNYでのフィル・ラモーン(今朝訃報を知りました)による録音です。他にはクラプトンが後にカヴァーした”Don't Let Me Be Lonely Tonight”、リンダ・ロンシュタットがハーモニーを付けたフォーキーな”One Morning In May”、ジョン・マクラフリンをゲストに迎え3台のアコギの共演(丁寧にマーティン、ギブソン、マーク・ホワイトブックというクレジットがそれぞれあります)となった”Someone”など印象的なナンバーが多いです。

原盤 Warner Brothers:WS6260 72年11月リリース