■■■□きみの友だち('08日本)

きみの友だち [DVD]

監督：廣木隆一
主演：石橋杏奈、北浦愛、福士誠治、吉高由里子、柄本明、華恵
思い入れのある小説の映画化って本当に難しいです。重松清が05年に書いた「きみの友だち」は連作短編集で、足が不自由で勝気な恵美と体が弱く中学3年で夭逝した由香の友情の物語。なんて書くときれいにまとまっているけど、恵美の弟のブン、その友人もモト、三好君、佐藤先輩、さらに恵美と由香の同級生、堀田ちゃん、ハナちゃん、西村さんを交えた話。語り手の「僕」は、大人になった恵美の恋人で、この第三者の視線が、物語を引き締めています。何度読み返しても大泣きしてしまう「花いちもんめ」と「きみの友だち」は本当に素晴らしい。
さてこの映画版は残念ながら全く別物でした。エンディングの結婚パーティーのシーンはまったくなくて、残念。まず由香がかわいすぎ（北浦愛）で、原作の由香はもっと太ってどんくさい役、また僕役の福士もちょっとイメージ違いかな。それでも2時間を超える（もっと短くはならないだろう）映画も後半では涙が止まらなかったのでした。他には田口トモロヲ、宮崎美子、大森南朋ら。主題歌は一青窈だけど、これは直接的。松崎ナオのスカスカな歌がいい。もこもこ雲をはじめ印象的な雲の写真はクラムボンの原田郁子の妹、写真家の原田奈々。

「きみの友だち」は「ぼくの友だち」でもあったわけで、次に見直す時には、どんなふうに感じるのかな。