■■■合衆国最後の日('77米西独)

合衆国最後の日<2枚組特別版> [DVD]

合衆国最後の日<2枚組特別版> [DVD]

監督:ロバート・アルドリッチ
出演:バート・ランカスターチャールズ・ダーニングリチャード・ウィドマーク

「あの戦争は、わが国の残酷さを証明するものだったのか!」これはダーニング演ずる大統領のセリフ。
政治・謀略サスペンスというジャンルとは、「実際の事件などを題材にとった、リアリティあふれるフィクション」を指す。これは、ウォルター・ウェイガーの「Viper 3」という小説を原作としている。製作の4年後の81年の設定となる近未来に設定されているのも意味深だ。ヴェトナム戦争が、ソ連に対しての「威信」のためだけの戦争だった、という設定で、この事実を記した文書の公開を条件に、核ミサイル基地をジャックした元軍人と軍部の対立を描いたサスペンス。誠実派の大統領(ダーニング)が、人質となり、「大統領さえ駒としか考えない」政府内の エスタブリッシュメントの存在を示唆して、映画は終わるが、堂々たる演出は、男くさいとしばしば称される、アルドリッチ監督ならではのもの。
他には、ジョゼフ・コットン、ポール・ウィンフィールド、バート・ヤング、リチャード・ジェッケル、メルヴィン・ダグラスら。軍人ランカスターの役柄はいつもと逆の立場でおもしろい(例えば「カサンドラクロス」)。主題歌は、”My Country 'Tis Of Thee”。冒頭で水平にしないと、ガスが発生する劇薬として、サリンが出てくるのが、ちょっとした衝撃。原題は、アメリカ国歌の一節から取られてるらしい。


TWILIGHT’S LAST GLEAMING