■ボクサー('70米)

監督:マーティン・リット
出演:ジェームズ・アール・ジョーンズ、ジェーン・アレキサンダー
伝説的な黒人ボクサー、ジャック・ジョンソンの話。元は舞台劇で文藝ものを得意とするマーティン・リットらしく重厚なタッチです。昔の映画の「ドラマ」(というジャンル)は、こういうずっしりとした感じでかなりシリアス。時代柄虐げられていた黒人ボクサーがたび重なる差別に耐え、チャンピオンになる、といった話ではなく、圧倒的な強さを誇った黒人ボクサーの前に白人至上主義を貫きたい陣営は、横やりで国内で試合をさせないというだけでなく、奥さんが白人(ここがキー)な為、架空の罪状をでっちあげ国外退去とさせ、罪の軽減を条件に白人対戦相手に負ける八百長を強いようとする話。「ロッキー」の様なカタルシスはなく、暗く重い感じがあるのは仕方がないです。
原題は”Great White Hope”(というとスティックスの曲を思い出します)。ジェーンさんは「クレイマーVSクレイマー」や[大統領の陰謀」にも出てました。