【先週の短編】ブリケット窪地(エイミアス・ノースコット)

M・R・ジェイムズと同窓で(イートン校)作家時代も親交があったというA・ノースコットという人はほとんど邦訳がない前時代の英国怪談作家です。いつも通る道なのに姉妹のうち、夢見がちな姉にしか見えない古風な家、いつしか彼女はそのパクストン大佐宅にお茶に呼ばれに行くと言って消息を絶ってしまう。そんな家などなかったが、その場所には70年前にパクストン大佐一家が住んでいて…という忌地にまつわる話。何度繰り返し読んでもぞくぞくきます。「イギリス恐怖小説傑作選」(南條竹則編、ちくま文庫)より。